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解放を迎えて…彼らは2500冊の本を作った

    • < 初代趙相元会長 >

    「解放っ子」として生まれた出版社がある。玄岩(ヒョンアム)趙相元(チョ・サンウォン)(1913~2000)は、三十二歳の年齢で解放を迎えた後、新しい国のために何が必要であるか悩み、70年前に大邱に建国公論社を設立した。最初の出版物は、混乱した社会の中で「正論」が必要であると考えて創刊した時事総合紙『建国公論』だった。創刊号は、数日で売り切れになった。1951年に会社名を玄岩社に変えて、出版の道を歩み始めた。

    以後、出版社は2代目趙根台(チョ・グンテ)(1942~2010)の手を経て、3代チョ・ミヒョン代表(44)に続き、しっかりとした出版名家として根を下ろした。特に浮き沈みが激しい韓国の出版界では珍しい長寿出版社だ。韓国最古の出版社の一つでもある玄岩社は、来月13~30日、京畿道坡州にあるアジア出版文化情報センターで70周年記念展を開く。単行本の出版だけで半世紀以上を耐えてきた底力のある出版社だけが開くことのできる、盛大な誕生日会なわけだ。

    • < 2代目趙根台会長 >

    玄岩社は70年間に2500余種を発刊した。展示には代表作が網羅される。1945年8月の『建国公論』創刊を激励するために、李承晩(イ・スンマン)元大統領、金九(キム・グ)先生、申翼煕(シン・イッキ)先生が書いて送った揮毫も展示される。

    玄岩社を代表する『法典』の57年史も展示される。今の玄岩社を存在できるようにした本で、考試生の中で『法典』を見ていない人がいないほどだ。1959年4月、朝鮮経国大典の用例を参考にして名前を付けた法令集『法典』が出版された。430個の法令を収録した1120ページの『法典』は、出荷からすぐに在庫切れになり、定価5000ウォンの本が翌日6000ウォンで闇取引され、韓国出版史上初めて原価よりも高い値段で取引されたりもした。個人が考案したこのタイトルは、社会的反響を得て国語辞典にまで登載された。57年間、一年も欠かさずに発行されている本でもある。

    1960年代、玄岩社は『莊子』『菜根譚』『法句経』と『希臘劇全集』など東洋と西洋の古典を紹介した。韓国の古典100冊を紹介して解説をつけた『韓国の名著』も発行した。李御寧(イ・オリョン)の『土の中に、あの風の中に』、朴景利(イ・ギョンリ)の『キム薬局の娘』などもすべて1960年代に玄岩社から出版された本だ。

    • < 3代目チョ・ミヒョン代表 >

    70年代には、『六堂崔南善全集』(全15巻)と『大世界史全集』(全16巻)を刊行する課業を達成したりもした。1976年には、黃晳暎(ファン・ソギョン)の大河小説『張吉山』が出版され旋風的な人気を得た。この他にも安東林(アン・ドンリム)の『この一枚の名盤クラシック』、尹凡牟(ユン・ボムモ)の『韓国現代美術100年』、崔完秀(チェ・ワンス)の『秋史集』など、芸術出版界の名書もあまねく出版された。崔淳雨(チェ・スンウ)の『韓国美術5千年』をはじめ、『私たちが本当に知っておくべき、私たちの花100』シリーズなど、韓国学部門でも独自の成果を出してきた。

    展示には、活版印刷の課程を知ることができる紙型、本に挿入されたカラフルなイラストも展示される。出版評論家のロジャ(イ・ヒョヌ)、チャン・ドンソク、童話作家のイ・サングォンの講演も行われる。

    創業者の趙相元会長は「出版社は、単なる商人ではない。この国の教育と文化の一端を担った勇士のようなものだ。出版人は、大学総長に劣らない使命を持った人だ」と回顧録に書いていた。そのおかげで、孫娘として、その課題を受け継いだチョ代表の肩の荷も重い。「1945~2015、70年間本を捧げ、100年に向かって進みます」というプラカードをソウル西橋洞の社屋に掲げ、70周年を準備しているチョ代表は「100年、200年、継続できるように揺れない姿で努力したい。記念展示を介して、出版を始めた最初のころの心を改めて記憶し、出版本来の使命に忠実であることを約束したい」と述べた。
  • 毎日経済 キム・スルギ記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2015-11-05 15:36:03