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[I ♥ 建築] 複製都市

    数日前に建築映画祭で『複製された都市』という映画を見た。その映画は、中国の建設会社が建設している住宅団地の話をドキュメンタリー形式で描いた映画だ。この住宅団地の特異点は、村の一部が、オーストリアの美しい湖畔都市「ハルシュタット」の一部分を1分の1で同じように複製してあるという点だ。どれほど複製したのかというと、建物だけでなく、レストランの外にかかっているメニューも複製してある。人々は、服装もアルプスの人々のように身に着けて出てくる。この複製された都市を見ながら、筆者は不気味な印象を持った。

    日常の中には、複製された町のようなものが溢れている。小さいものだと「偽物」のブランドバッグからラスベガス、エバーランド、ロッテワールドアドベンチャーのヨーロッパ式の村、そして最近、流行しているヨーロッパのストリートを再現したと宣伝しているショッピングアベニューもある。恐らく、ファッションと建築は模造品の再生産が簡単で、一般的な模倣は創造のもう一つの方法なのかもしれない。しかし、なぜ筆者は完璧な複製都市を見て、不気味な恐怖を感じたのだろうか。

    人工知能ロボットについて心理学者は、もし人間と区別がつかないほど、同じようなロボットを作れば、人々はそのロボットに対して恐怖を感じて破壊すると言う。だから後で人間とまったく同じようなロボットを作れる能力を持つことになっても、わざわざ違って見えるようにするだろうと予想した。『トイ・ストーリー』の中の主人公たちは、頭と目が大きくデザインされており、人とは少し違う姿を見せ、キャラクターが愛されて興行に成功した。一方、眉毛の毛まで表現して実写映画のように制作されたアニメーション『ファイナルファンタジー』が失敗をした理由もここから見つけることができそうだ。

    私たちは、バッグや彫刻のようなものを同じように複製することは平気だが、人間のクローンを見れば、恐怖を感じる。面白いのは、都市を複製して同様の恐怖を感じたという点だ。これが、町や村を単純な物ではなく、人間と同一視される価値を持つものとみなす証拠になるのかもしれない。このように、私たちを取り囲んでいる町や村は人間が作ったものの、時間が経つにつれて進化して、単純な物としての価値を超えて人格のようなものが感じられるようになるのかもしれない。
  • 毎日経済 ユ・ヒョンジュン弘益大学建築学科教授 | (C) mk.co.kr | 入力 2015-11-05 17:31:05