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NHN、カカオ創業者キム・ボムス議長

ポータル最強者NHNを設立した韓国ベンチャー1世代 

    「カカオシンドローム」。モバイルメッセンジャーサービスであるカカオトークは今や韓国スマートフォン利用者2500万人の大部分がインストールした国民メッセンジャーとして登板した。モバイル専用(Only)無料サービスとしては世界最大のネットワークを誇っている。後続として出たカカオストーリー(写真基盤プロフィールアルバムサービス)もリリースし、一ヶ月で1400万加入者を突破し「モバイルでのすべての道はカカオに通じる」という言葉まで現われた。

    オンラインゲーム「ハンゲーム」を創業したポータル最強者NHNを設立した「韓国ベンチャー1世代」キム・ボムス カカオ議長(46)が去る2006年12月カカオを創業しモバイルへと復活した後、初めてマスコミとのインタビューに応じた。毎日経済新聞とポニー・チョン財団が共同主幹した第6回「ポニー・チョン革新賞」の受賞者に選定されたキム議長は「6ヶ月先がどうなるのかも分からないほど世界が毎日急変し、寝ることもままならない」と話した。キム議長は最近「ケーキューブベンチャーズ」を設立し最高経営者(CEO)100名を養成するという夢を明かしもした。

    Q.モバイルメッセンジャー市場を平定したが、成功の秘訣は。


    A.タイミングだ。カカオが出る前に一番似ていたアプリ(WhatsApp)があったが、有料であり単品で販売する方式で接近していた。私たちはとても遅れたという感じもあったが、単品ではなくサービスでアピールした。タイミングがよかった。どうせ作るならば既存の文字メッセージ(SMS)が与えられなかった価値を与えようと考えた。特にSMSはグループチャットができないが、カカオは何人かが一緒におこなう機能を入れようとした。無料であるがグループチャットが可能で瞬時に拡散された。iPhoneアプリだけでは限界があったが、適切な時にギャラクシーSが出て、ギャラクシーS用カカオトークを電話の発売と同時に披露して成功することができた。

    Q.明確な収益モデルがないという指摘が多いが。


    A.ひとつのアプリを一日2500万名以上が使うことを過小評価する人がいる。カトク(カカオトークの略)はシステムサーバー2500台が1日13億のメッセージを処理する。ビジネスモデルはやはり広告だ。TV広告は無条件に見せるものだ。ウェブキーワード広告がTV広告を越え、遠からずモバイル広告がウェブキーワード広告を越えるだろう。広告は両面性がある。ある人たちにはスパムであるが、ある人たちには情報となる。

    最近「Plusカカとも」を披露したが、これは1年以上悩んだ結果物だ。たとえばロッテ百貨店に関心のある人だけを集めるようにして、彼らに関連情報を与えれば恐らくスパムとは認識しない。そのため割引行事の際の反応は既存広告と次元が違う。消費者も満足し、広告主も満足する。Plusカカともは最初は20個ほどの業者が始めたが現在は100個がおこなっている。これは始まりにすぎない。使用者に合わせた情報の潜在力を確認することができる。

    Q.最近テンセンスとウィメイドから920億ウォンの投資誘致に成功した。どこに使うのか。


    A.プラットフォーム事業に注力する計画だ。カカオはコンテンツや商取引サービスがないため協力することができる方案を探している。最近(ウィメイドと共に)始めたゲーム分野もカトクとどれだけ合うのか研究している。モバイルはモバイルに合わせた形がある。本は紙に書き、読みやすく作るものだ。既存の本をモバイルアプリで作り出版すれば投資対比収益が出ない。モバイルは新しい方式が必要だ。モバイルでは小説より詩がより似合うこともある。

    Q.NHN創業者でもあるが、最近ネイバーをどう見ているのか。


    A.ネイバーが得意なこと(検索、カフェなど)をモバイルに移す作業をしているように見える。モバイルメッセンジャー「LINE」を打ち出したがこれがネイバーがウェブと断絶した始めての試みだと思う。モバイルに対するインサイトが生まれた。インターネット最強者だからパラダイムが変わる支点において危機でありジャンプする機会を迎えたわけだ。陣痛の段階であるようだ。ウェブから検索を掌握すればすべてが解決したが、それがない状況では既得権がなくなったのだ。ウェブにおいて(ネイバーが)やりさえすればゲーム終了だったのに。

    Q.検索はモバイルでも利用者たちが一番求めるサービスではないのか。


    A.モバイルでは検索の方式が変わる。たとえばニュースは検索するのではなく、朝に「ピンポン」と到着するものだ。ソーシャルネットワークが拡散しながら、自分が検索しなくても友達が何か送ってくれる。フェイスブックに友達があげる。

    Q.グーグルとフェイスブックが機械検索と人脈検索対決を繰り広げる姿だ。


    A.検索はウェブでの開始点だった。グーグルとフェイスブックはウェブサービス会社であってモバイル会社ではない。モバイルでは果たして検索が一番重要だろうか。コミュニケーション(疎通)が一番重要だと見る。モバイルの出発点は通信だ。カトクはウェブバージョンはなく、モバイルオンリーサービスだ。ウェブを作ればウェブのパラダイムに閉じ込められる。モバイルオンリーは違う。24時間いつどこでも利用できる。初めてこんな時代が来たということだ。

    Q.フェイスブックがモバイル写真アプリであるインスタグラムを1兆ウォンで引き受けしたことはどう見るか。


    A.モバイルはウェブが拡張したのではないということをマーク・ザッカーバーグが気づいたということだ。モバイルは違うと見てインスタグラムを買った。モバイル時代の主導権は会社の未来と連結している。フェイスブックはインスタグラムのようなサービスを直接試みることもできたが引き受け、やはりザッカーバーグはすごい人物だと思う。

    Q.カカオというプラットフォームはどこまで拡張するのか。


    A.カカオはポータルではない。プラットフォームとなりコンテンツやコマース(商取引)を好循環構造で流通させたい。今はアップル、グーグル生態系のようにカトクが好循環構造をどうやって作るものか、備えるべきものは何かについて悩んでいる。メッセージングと写真共有プラットフォームを合わせればちがうことへの拡張は容易になる。決済、マーケティングなどを整えれば、その次からは多くの領域で生きかえる生態系が出るものだ。

    Q.カカオトークもニュースキャストサービスをすると言うが。


    A.カカオの立場ではニュースコンテンツが流通する場を作りたかった。しかしニュースは影響力が大きくないか。共に悩んでみたい。一人でできないように思うし(マスコミの人たちと)共に解決したい。一旦ストップした。

    Q.最近ケーキューブベンチャーズも設立した。創業しようとしている若い人たちにかける言葉は


    A.創業するときは人、アイデア、技術、資本など4つを備えていないといけない。このために大きな流れ、タイミングもある。インターネットが開いた時代と共にまた大きく開いたようだ。インターネット時代にはまったく知らなかったことが多く、失敗も多かった。モバイルでは小さな規模と資本、アイデアがあれば創業する機会がある。投資者も大きな負担がない。1億ウォン、2億ウォンを持っていくらでも世界を相手にしてみるだけのことはある。

    Q.カカオプラットフォームが大きくなり、後に違うインダストリー(産業)を侵犯すれば、集中砲火を受ける恐れもある。


    A.以前まではなかった新しい「生態系経済」時代が開いている。他の人に金を儲けさせることが自分には一番強力なビジネスとなる経済だ。職員たちにも社会的責任に対する話を多くする。カカオにバグが1つでもあれば全国民が苦しむ。カカオがビジネスモデルを間違えて捕らえれば提携したり投資した他の事業者が苦しむことがある。責任感が大きくなった。

    Q.自身が今までした仕事の中で最もうまくやったことは何だと思うか。


    A.大きな流れを読んだという点くらいだ。流れを読んだとは言うが当時は不確実だった。私自身をかけた決断が大きく2回あったが、流れが大きく違いはしなかった。他の人が合っているようだと首をかしげた時にオールインした。これが私の人生だった。不確実なときに機会がある。

    Q.今年のモバイル市場のキーワードを挙げるとしたら。


    A.スマートフォン普及率が50%を超えている。これからはビジネス的に意味のある試みが多く出る変曲点だ。モバイルの属性をよく生かした「リアルタイム(実時間)」と「ロケーション(位置)」がキーワードになるようだ。5年後にサムスン電子よりももっと大きくなったモバイル会社が現われるかもしれない。以前には6ヶ月先を見通すこともしたが、これからはアメリカ市場をのぞいても良く見えない。モバイルは広がる速度が半端ない。とても重要な時であることは明らかだ。

    ▶ カカオトーク

    国内最大モバイルメッセンジャーとして世界的に4400万加入者(機器1台につき1名で計算)を確保し、毎日使用する利用者も2100万人に達した。一日26億件の送受信メッセージが行き来しながらすでに移動通信3社の文字メッセージ(SMS)使用量を超えた。

    ▶ ポニー·チョン革新賞

    現代自動車の創立者である故チョン・セヨン現代産業開発名誉会長の愛称「PONY 鄭(チョン)」を取って2006年に制定された賞である。革新的な思考を通して肯定的な変化を起こすことに他ならぬ貢献をした個人や団体を対象に故チョン・セヨン名誉会長の命日のある5月に授与される。今年ポニー・チョン財団は「キム・ボムス議長がベンチャー精神と統率力でオンラインゲーム、ポータルサイト、スマートフォン基盤のアプリ市場を先導したことが故チョン・セヨン名誉会長の挑戦精神と似ている」と受賞背景を明らかにした。

    ■ He is…
    △1966年ソウル生まれ △1986年建大付高卒 △1990年ソウル大学産業工学科卒 △1992年ソウル大学産業工学大学院卒 △1992年3月~1998年2月 △サムスンSDS △1998年11月ハンゲームコミュニケーション設立 △2000年7月ネイバーコム合併共同代表理事 △2001年11月NHN共同代表理事 △2004年1月~2006年12月NHN代表理事社長 △2007年1~8月NHN USA代表 △2007年8月~2008年8月NHN株式会社の非常任理事 △2007年8月〜(現在)カカオ議長
  • 毎日経済_ユ・ジンピョン モバイル部長、ソン・ジェクォン記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2013-11-15 19:10:00