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ジェネシス「EQ900」の「ニュルブルクリンクサーキット」同乗体験

    △写真=ジェネシスの最高級モデル「EQ900」試験車両が去る13日(現地時間)、独ニュルブルクリンク・テストトラックを疾走している。全世界の走行試験場の中で最も険しいコースだ。テスト結果は南陽研究所に送られ、12月のEQ900発売までに継続的な改善と補完を経ることになる。 [写真提供=ジェネシス]

    「地上で最も美しく険しいテストトラックにようこそ」。

    去る13日、独ニュルブルクに位置する新車のテスト用走行場「ニュルブルクリンクサーキット」。現代・起亜自動車の独自ブランドとして独立した「ジェネシス」のフラッグシップモデル「EQ900」の助手席、後部座席に乗った。区間総距離20.8キロメートル、73の急コーナーと急傾斜が潜むトラックを、約10分かけて走破する同乗体験だ。まだ発売前のEQ900に、一般人が同乗したのは今回が初めてだ。

    プロのドライバーの1回の平均ラップタイムは7分台。直線区間で時速200キロは基本であり、急カーブ区間でも時速130キロ以上を出す。この日、ステアリングホイールを握ったベルギー出身のドライバーは「アマチュア同乗者の安全を考慮して、通常よりも25~30%減速運転する。あまり怖がらないように」と笑った。

    トラックをまわって1分ほど経ったとき、古いフランスのコメディ映画『タクシー2』がうかんだ。映画の中で仕事がタクシーの運転手である主人公は、常に「想像不可能」な速度とルートを利用して目的地をさがして行く。映画の中の設定は、ニュルブルクリンクサーキットでは鮮やかな現実になる。直線区間を時速17キロで走っていたEQ900の前に90度の急カーブ区間と180度のヘアピン、400メートル急下降区間など極端なコースがめまぐるしく、ジェットコースターのように繰り広げられた。映画と違うのは乗客の反応だ。映画の中のタクシー客は揺れ動く車の中で吐いたり気絶したが、EQ900の後部座席では体が傾きも揺れもしなかった。 EQ900の開発目標の一つは、飛行機のファーストクラスの快適さを後部座席に実現することだ。大抵のタービュランスには揺れない、ファーストクラスの堅牢性を思い起こした。

    • < EQ900ニュルブルクリンクテストの現状 >

    EQ900が来月の国内発売を控えて、世界で最も過酷な道路「グリーンヘル(Green Hell/緑の地獄)」と呼ばれるほど悪名高いニュルブルクリンクで最後の焼き入れを進めている。名刀を鍛えるために職人が数ヶ月、鉄を溶かして叩いたりして行くように、新車を作る過程も単純で愚直で、痛みを伴うテストの繰り返しが必要だ。さらにEQ900はブランドを立ち上げた後、ジェネシスが世の中に初めて披露する最初のモデルであり、ジェネシス船団のフラッグシップとテストは一寸の傷も許容しないという経営陣の意志が込められている。

    EQ900の試験用車両がニュルブルクリンクに送られたのは去る8月だった。以後2ヶ月間、ニュルブルクリンクサーキットを1日30周ずつ回った。 1日の走行距離624キロメートル、累計走行距離1万キロメートルだ。すべての走行は車両の最大性能値に近接する速度で進められた。ニュルブルクリンクのような道路環境を一日30回、このような速度で走ることは機械に対する拷問だ。毎日30周を回った後、その都度タイヤとディスクパッドを交換する必要があった。日常的な走行では5000~1000キロメートルごとに交換するエンジンオイルを、ここでは二日に一回入れ替えた。ニュルブルクリンクでの1万キロメートルは、一般道路では18万キロメートルに該当する。

    車を酷使する理由は、高級セダンに求められる走行性能と耐久性の検証にある。テストはニュルブルクリンクのほか、米国モハーベ砂漠とデスバレー、スペインのグラナダなどの酷暑地、スウェーデンのアリエプローグのような酷寒地、コロラド州パイクスピークなどの山岳コースで同時に実施された。

    最終的に出荷されるEQ900の完成度を5段階と仮定すると、ニュルブルクリンクなど世界のあちこちの険しい土地に送られた試験車両は2段階くらいに該当する。

    これまでのテストの過程で発見された問題は、些細なことまで南陽研究所に送られた。この過程を経て、900回以上にわたって車両姿勢制御装置(ESC)、タイヤそしてショックアブソーバのようなサスペンション関連部品に対する交換とチューニングが行われた。世界的に好評を博したこれまでの第2世代ジェネシス(DH)の硬く安定感のある走行性能、その上に超大型セダンのみの豪華な乗り心地を加える作業がこのように進められてきた。

    ジェネシスの関係者は、「今は最終完成段階に達することを目前にした時点」だとし、「自動車の基本技術に該当する走行性能で、もう一つの名車誕生を確信している」と語った。
  • 毎日経済_独ニュルブルク=ノ・ウォンミョン記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2015-11-16 14:17:21