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特許獲得に失敗した免税店の従業員、失業の不安からため息

移転費用3千億ウォン、在庫物量の数百億ウォンが水の泡に 

    △写真=特許権の獲得に失敗して数カ月内に閉店するソウル広津区ウォーカーヒル免税店の内部。16日午後、免税店の店舗には通常よりも人影がすくない。 [イ・スンファン記者]

    16日の昼12時頃に訪れたソウル市広津区のウォーカーヒルホテル。今年の年末に拡張オープン予定で工事を進めていた1階の免税店の入り口は固く閉ざされていた。ゲートで隠されていた入り口には中国語で「ご了承ください」という標識が立てられていた。外部ショーウインドーを隠していた幕には「新しいウォーカーヒル免税店が2015年にオープンする」という言葉が鮮明に書かれていた。SKはこれまでウォーカーヒル免税店の規模を2倍以上に拡大するため、大規模な改修工事を進めてきた。しかし、この空間は現在、他の用途を見つけなければならない状況に直面した。免税店再承認審査でウォーカーヒル免税店が脱落したためだ。

    昨年10月に「ラグジュアリー免税店」を旗印に3000億ウォンを投資してオープンしたロッテワールドタワー店も来年上半期に閉店する。免税店の内部は、通常の日と変わらず、中国人観光客で賑わっていたが、従業員たちの表情は以前のように明るくなかった。免税店のあちこちには、オープン1周年を記念するイベント案内のフレーズが貼られていたが、事実上、最後のイベントとなる可能性が高いからだ。

    ウォーカーヒル免税店化粧品コーナーの店舗では、1~3人の店員が顧客の相手をして、残りの従業員は、三々五々に集まって、深刻な表情で話を交わしていた。ほとんどが週末の免税店特許に関する情報を共有するための会話だ。異なるブランドのユニフォームを着た化粧品コーナーの店員は「新世界免税店に、私たちが行くことはできるだろうか」と心配した。ウォーカーヒル内のシャトルバス停留所に集まっている免税店の従業員の間でも、悲観的な会話が続いた。従業員は、「ハンファや新羅免税店に知り合いのいる人はいないか」「斗山 の求人はいつ出されるだろうか」などの会話を交わし、雇用に対する不安感を表わした。

    彼らは、「新世界が免税店を大きくすると言っているため、私たちも行けそうな気がするが、誰も確実な答えは出せない」とため息をついた。また、「私たちを全員連れて行ったとしても(あっちの立場では)損害はないだろう、最大限肯定的に考えてみよう」とお互いを慰めたりもした。

    雑貨コーナーの従業員に雰囲気を尋ねると、「長年ここで働いていたが、このようなことを想像して見たこともなく、多くの従業員が大変当惑してる」と述べた。特に900人以上のウォーカーヒル免税店の従業員は、まだ会社や支配人から何の公式的な通知を受けていない状態だった。ある従業員は、「前例がなかったため、未来を予想するのが容易ではない」とし「早く会社が対策を立ててくれると嬉しい」と述べた。

    1300人に達するロッテワールドタワー店の従業員も、状況は似ていた。免税店事業から完全に撤退しなければならないSKとは異なり、ロッテは小公洞店など、他の免税店の店舗がある。しかし、移動できる人数には限界があるだけに、ワールドタワー店の従業員も雇用不安を感じるのは同じだった。特に、わずか半月前にワールドタワー店への配置を受けたロッテ免税店の新入社員は「2週間前に両親が就職したと喜んでいたのに、まさに青天の霹靂」だとし「同期同士、他の仕事を見つけるべきではないかと話している」と述べた。彼らは現在、契約社員として1年後に正社員に転換することになる。

    このように、従業員の不安感が大きくなるにつれて、ロッテグループの主要な代表は同日午後7時、ロッテワールドタワーに集まって緊急対策会議を開き、当店勤務の従業員を関連会社で全員雇うことにした。この日の会議には、ロッテ免税店のイ・ホンギュン代表を含めて、ロッテ物産のノ・ビョンヨン代表、ホテルロッテのソン・ヨンドク​​代表、ロッテ百貨店のイ・ウォンジュン代表などの第2ロッテワールド入店系列会社の代表10人が参加した。ロッテグループはワールドタワー店の従業員をロッテ免税店の他の​​店舗に分散収容したり、デパートやマート、ハイマートなどのワールドモール運営会社で雇用するという方針だ。

    ウォーカーヒルとワールドタワー免税店の従業員は、韓国政府に対する不満も吐露した。ワールドタワー店のマネージャーは「1年前、ロッテワールドから第2ロッテワールドに移動するために1カ月間、毎日徹夜勤務をした」とし「1年後に特許を取り上げるつもりだったのなら、なぜその時、関税庁は場所移転の承認をしたのか、到底理解できない」と述べた。3000億ウォンをかけて最高級の設備を整えたのに、1年で部屋を出ていけというのが、果たして常識的なことなのかという指摘だ。ウォーカーヒル免税店の関係者も「20年以上免税店を運営し、多くのノウハウを積み重ねてきたが、一夜にして免税店事業をたためと命令する正確な理由が、あまりにも気になる」とし「本当に韓国政府の再承認審査結果の点数表を見たい心情だ」と述べた。彼は「従業員は、政治の遊びにより私たちの職場が消えたのではないかという疑問を持っている」と付け加えた。
  • 毎日経済 ソン・イルソン記者 / イ・セボム記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2015-11-16 17:35:18