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サムスン・現代自動車・LGなどの財界の首長、新年に危機戦略を打ち出す

事業構造再編・成長動力…各リーダー、口をそろえて「生存」叫ぶ 

    △写真=現代自動車などの主要グループのトップは4日に始務式を行い、今年一年の経営方向と目標を提示した。左から鄭夢九現代自動車グループ会長、具本茂LGグループ会長、崔泰源SKグループ会長、朴容晩斗山会長(大韓商工会議所会長)[キム・ホヨン記者 / 写真提供=現代自動車・LG・商議]

    国内外の経済環境がどの年よりも不確実だと予想されるなかで、主要グループは4日に始務式(仕事始め)を行い、今年の第一歩を踏み出した。各企業の新年の辞では、産業間の境界が崩れて破壊的な革新(disruptive innovation)が既存の文法を変える、最近の経営状況に対する覚醒がたっぷりとにじみ出た。

    昨年、新年辞のキーワードは低成長や不確実性など主に危機診断にとどまったが、今年は具体的なアクションプランまで盛り込んだ生存戦略を掲げた。主な基調は、△事業再編を通じた生存、△徹底した利益経営、△将来の収益源確保などだ。

    財界の関係者は、「財界の首長たちが率先して細かい危機戦略を打ち出したのは、それだけ経営環境が困難だという傍証だ」と語る。

    サムスングループは新年第一声で「現場経営」を打ち出した。電子・自動車やソフトウェア・ハードウェアなど、異種産業間の境界が急速に崩れているだけに、従前とは差別化した革新が必要だという趣旨だ。李在鎔(イ・ジェヨン)サムスン電子副会長は4日に京畿道龍仁の器興事業場と水原デジタルシティを訪問し、主要系列会社との懇談会を開いて今年の戦略を整えた。イ・ジェヨン副会長は部品(DS)・消費者家電(CE)・ITモバイル(IM)などの事業部門と、サムスンディスプレイ、サムスンSDI、サムスンSDSの経営陣と主要役員らに会った。

    5日にはサムスン物産、サムスン生命などの非電子系列会社と相次いで懇談会を行う。平素はグループ単位で「ハリェシク(賀礼式)」を開いて新年辞などを発表した慣例を破り、直接に業務計画などの報告を受けた。

    権五鉉(クォン・オヒョン)サムスン電子副会長はこの日、仕事始めに「フィンテックやモバイルヘルスなどの融合分野で産業間の境界が崩れており、これまで経験しなかったような新しい方法で競争しなければならない」と述べた。クォン副会長は「CEやIMやDSなどの各部門でシナジーを創出し、差別化された競争力を確保しよう」と強調した。

    鄭夢九(チョン・モング)現代自動車会長は、「情報通信と電子技術が融合した未来の技術開発(R&D)能力を、さらに強化していかなければならない」と力説した。チョン・モング会長は、「成長を持続するためには将来の競争力の確保が重要」だとし、「技術開発投資を大幅に拡大し、自動車技術の革新を主導しなければならない」と述べた。

    • < 今年の財界トップが選んだ新年のキーワード >

    現代自動車は今年のグローバル販売目標を813万台にさだめた。昨年に比べて異例的に7万台を減らした。それだけ市場は量的に飽和状態に達したという意味だ。これにたいして現代自動車は、最近ローンチしたジェネシス「EQ900」などの高級市場を攻略し、今年出荷する「アイオニック(i-oniq)」などでエコカー市場を先取りするという方針だ。

    LGグループも業界の「異種交配」に力点を置いた。具本茂(ク・ボンム)LG会長は、△事業構造の高度化、△事業方式の革新、△徹底実行を通じた実質的な変化、などの3つの戦略を提示した。

    ク・ボンム会長は「自動車部品と新エネルギー分野のように、成長可能性を見たならば果敢に打って出て市場を先取りするべき」だと述べた。 LGグループの経営陣は、この日の仕事始めでインフラ事業の高度化に成功した日本の日立と、スタートアップのように迅速に新製品を作って革新された米GEなどの先進企業の事例を共有して覚悟を固めた。

    今年「ワントップ体制」元年を迎えた辛東彬(シン・ドンビン)ロッテグループ会長は、「こんにちビジネス間の境界は崩れ、予期せぬ事業間の融合・複合が膨大なシナジーをうみ出す」とし、「開かれた心で新しい機会を模索していこう」とした。

    徹底した改編を通じて、利益の出ない事業や手順を取り除くという大企業も多い。

    権五俊(クォン・オジュン)ポスコ会長は、「組織運営のすべての部分を低コスト・高効率の構造に転換しなければならない」とし、収益性の観点から構造調整の手綱をきつく締めるという点をはっきりとさせた。

    朴三求(パク・サムグ)錦湖アシアナ会長も、「企業は利潤なしにはどんな目標も達成できない」とし、「利潤が出ないものは果敢に整理するつもりだ」と声を高めた。パク・サムグ会長は「利潤の最大化のために、すべての組織は優先順位をめぐって経営接触を望む」とした。

    趙亮鎬(チョ・ヤンホ)韓進グループ会長は、「企業の生存戦略の根本的な見直しが必要とされる」とし、「顧客が思ってもみなかった価値をまず創出してこそ、生存企業として残ることができるだろう」と力説した。

    金升淵(キム・スンヨン)ハンファグループ会長は、「グループ内の実効性のない規定や不必要な手続きなど、過去の慣行を徹底的に刷新しよう」と念を押した。キム・スンヨン会長は特に昨年、サムスンから持ってきた防衛産業・化学4社は、規模の競争力を超えてシナジー効果を拡大するところに注力しなければならないと注文した。

    逆に長い呼吸で長期計画を立てる企業もある。許昌秀(ホ・チャンス)GS会長は、「どんな状況でも安定した収益を出す企業こそ、真の実力を持つと言える」とし、「10年、20年を見通す将来事業の発掘に力を入れてほしい」とした。

    崔泰源(チェ・テウォン)SK会長は同日、新年会への出席を手始めに活動を再開した。最近、マスコミを通じて婚外子の存在を認めた後、一週間ぶりに公式の席上に姿を現したものだ。チェ会長は「それぞれの会社が置かれた環境と事業構造の特性に合わせて経営システムを再設計し、アップグレードして実行力を高めなければならない」と内部構造改革を強調した。
  • 毎日経済_ソン・イルソン記者/キム・ジョンファン記者/イ・ギチャン記者/ユン・ジノ記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2016-01-04 19:47:13