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[筆洞情談] ホームスクーリングと代案学校

    A君は小学校をたったの2カ月間だけ通った。友人を鉛筆で刺したことで学校暴力対策委員会に回付された。A君の母親は「家で教える」と連れていった。冷凍された遺体で発見された、まさにあの子だ。

    韓国で小学校と中学校は義務教育だ。小学校は1952年、中学校は1985年に義務教育法が設けられた。教師を充員して施設を拡充するために中学校の義務教育が全国に定着したのは2004年だが、とにかく、小中学校に子どもを登校させなければ不法になる。現実は違う。小学校に「理由なく」長期欠席した学生が220人にもなるのだから、不法天国だ。

    「理由ある」欠席も増えている。長期入院、学校不適応、宗教的な信念、画一的な公教育反対など、理由は多様だ。彼らはホームスクーリング(在宅教育)または代案学校に頼る。このような悩みと論争は米国で長い歴史を持っている。米国で義務就学法は1918年に全国へ拡大された。1970年代になって公教育に反対するホームスクーリングがともしびのように拡散すると、熾烈な法律攻防を経て、1985年に合法化された。今は全体の学生の4%に迫る200万人がホームスクーリングで勉強する。ホームスクーリングが合法化したため、教育プログラムと教材も体系的に案内・提供されている。教育公務員が1年に2回、家庭を訪問して教育実態も確認する。高校・大学に進学するときも正規教育と同じようにホームスクーリングが認定される。

    韓国でホームスクーリングは法的な認定を受けることはできない。小中学校は自主退学することもできない。長期欠席すれば「定員外管理対象」に分類される。検定考試を経てこそ上級学校に進学することができる。国語・歴史などの一部の教科プログラムだけ監督を受ける代案学校を利用することもできる。小中高を通じて今年1月基準で認可された代案学校は63校におよぶ。ところが、教育部が2014年に調査したところ、無許可の代案学校が56校も摘発されたほど、ここも不法天国だ。

    義務教育が施行されてから久しいが、公教育から抜け出した学生を保護するシステムはあまりにも粗末だ。米国・ヨーロッパのように、子どもを登校させない保護者は懲役刑で処罰するべきとの声があげられている。ホームスクーリング・代案学校をどのような基準で許容・監督するのかに対しても、総合的な討論が平行してほしいものだ。
  • 毎日経済 チェ・ギョンソン論説委員 | (C) mk.co.kr | 入力 2016-01-19 17:41:04