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[筆洞情談] 欲望の星風船
- 今、中学校に入った息子が最も羨望する友人は、アフリカTVでBJ（Broadcasting Jockey / ビジェイ）として活動する子どもだ。ゲーム関連のコンテンツで放送をするその友人は、視聴者から受け取った星風船でかなりよい収入を上げているからだ。ゲームの時間に制約がありお小遣いも豊富でない同年代の子どもたちに、遊びながらお金を稼ぐその友人が素敵に見えるのは当然だ。
実際にゲーム放送を進行する「ヤンティン（有名なゲームBJ）」は小学生の間で「小大統領（小学生の大統領）」と呼ばれるほどの人気だ。
大人の目から見てもダイアログ内でパンパン飛び出る星風船は不思議だ。一度、YouTubeで星風船が飛び出すシーンを見たことがある。天使のように白いハチマキをしたある女性BJが特に何も言わずに感動したというリアクションをしただけなのに、35万個（約3500万ウォン / 約350万円）の星風船であふれた。
アフリカTVが、個人放送プラットフォームの代名詞として成長したのには星風船の影響が大きかった。星風船は放送視聴者がBJにプレゼントすることができる一種のサイバーマネーだ。面白い放送をするBJは芸能人のようにファンクラブ、ファン層ができるが、星風船はこれらのBJを応援して愛情を表示するための手段だ。1個110ウォンでBJ等級によってBJとアフリカTVが7対3、6対4などの割合で分け合う。星風船を寄付すれば放送を見れるというわけではないが、たくさん星風船を送るほどBJから特別な待遇を受けることができ、ダイアログでの影響力が大きくなることをみると、コミュニケーションツールを超えて過熱的な様相を呈している。昨年、会社公金4億2000万ウォンを横領した経理が男性BJに1億5000万ウォン（約1500万円）の星風船をプレゼントする荒唐無稽なことも起きた。
現在活動しているBJは150万人で年俸1億~3億ウォン（1000~3000万円）の高所得BJもいる。大図書館、ヤンティンなど、差別化されたコンテンツでファンを抱えているBJは芸能人顔負けだ。彼らを管理してあげる企画会社であるMCN（Multi Channel Network）も登場した。
しかし、ひたすら星風船を狙って刺激的なコンテンツとして無理押しする人も少なくない。露出度の高い服を着て扇情的な行為をしたり、悪口・飲酒放送などをしている場合だ。最近、時速200キロでソウル都心を疾走してレースを繰り広げる光景をリアルタイムで放送したり、ソウル江南一帯でインタビューを口実に女性の特定身体部位を撮って放送したBJが警察に捕まるなど、ますます刺激的になっている。
インターネット1人放送時代は逆らえない大勢だ。魅力的なコンテンツにお金を払うことは、資本主義社会で不思議なことではない。しかし、低質コンテンツが氾濫し星風船を受け取ろうとする欲望とお金でBJの注目を引こうとする薄っぺらい認定欲求だけがあふれれば、インターネット放送は欲望の生態系に転落するしかない。 BJらの自争努力が必要だ。 - 毎日経済 シム・ユンヒ論説委員 | (C) mk.co.kr | 入力 2016-03-31 17:26:30
