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[筆洞情談] 善良な消費をよぶ善良マーケティング?

    2012年夏、カナダのビクトリア大学のビジネスプログラムを受講していたアンドリュー・ホールとジェレミー・ブライアンツ(andrew hall&jeremy bryant)は、授業中に良いアイデアを1つ思い付いた。レストランをガラスの壁で分離し、一方には一般客、もう片方にはホームレスのためのスペースを作った後、レストランの一般客が食事メニューを注文するたびにホームレスたちに1食の食事が提供されるようにしようというものだった。

    自分が注文した食事が現場ですぐに誰かに提供されていることを自分の目で見れば、より多くの人が参与するのではないかと期待した。世界各国のレストラン料理を味わいながら、恵まれない隣人も助ける 「ミールシェア(Mealshare)」の出発だった。

    世界的な景気低迷、消費不振の中で、環境・飢餓・貧困・保健などの社会問題と企業の利益追求を接続させる 「コーズマーケティング(Cause Marketing)」が改めて注目されている。コー​​ズマーケティング企業がとりわけ不況に強い面を見せているからだ。

    靴を購入するとアフリカの子供たちに靴1足をプレゼントするというコーズマーケティングを広げたトムスシューズ(TOMS SHOES)は、売上高が3年ぶりに40倍に増加した。創立初期、200足の靴を寄付するという素朴な目標を立てたトムスシューズは8年で3500万足の靴を寄付する成果を上げた。

    156年の歴史のDr.ブロナーは、広告を一切しなくても米国有機ボディケア市場で14年間1位を固守し、毎年純利益の3分の1を寄付する会社として有名だ。最近5年間で環境保護、動物保護、低所得層および独居老人支援などに支出した費用だけで300億ウォンを軽く越える。今年は世界的に最低賃金引き上げを大儀として掲げた。

    韓国のコーヒーブランドであるホリーズコーヒーは、国際熱帯雨林同盟(RFA)認証マークが押されたコロンビア豆だけを使用する。 RFA認証マークは全世界のコーヒー豆生産地の自然を保護し、その地域の労働者に安全な環境を提供する農家にだけ与えられるため、コーヒーを飲みながらコーヒー生産労働者の権益向上に貢献するという満足感を与える。

    まったく効果がなかったり逆効果を招いた善良なマーケティングもある。ピザを頼むと半分のみデリバリーして残りは低所得層の子どもたちにデリバリーするというドミノピザの「1 / 2キャンペーン」は、企業がそのまま利益を取りながら、消費者にだけ損害を負担させるという印象を与え失敗した事例だ。

    善良な消費も悪い消費も消費は美徳だ。消費不振が景気低迷の第1要因とされる最近ではなおさらだ。それでもせっかくなら善良な消費をよぶ善良なマーケティング、気持ちの良い消費がたくさん増えたらと願っている。
  • 毎日経済 シム・ユンヒ論説委員 | (C) mk.co.kr | 入力 2016-03-29 17:40:47