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[筆洞情談] 危機のソーシャルコマース

    ソーシャルコマースは、スマートフォンやソーシャルネットワークサービス(SNS)が登場し、最も注目されたビジネスモデルの1つだ。ポータルサイトであるYahoo!が初めてソーシャルコマースという概念を導入したが、実際の事業につなげて大ヒットさせた企業は、米国のグルーポン(Groupon)だ。 2008年に設立されたグルーポンは、共同購入方式で製品を50%以上安く販売し、たった3年で全世界で5000万人を超える加入者を確保した。 2011年に株式公開(IPO)をした時、時価総額が160億ドルに達した。

    しかし、上場以後、グルーポンは下り坂を歩き始めた。消費者のニーズを満たしていないことが原因だった。あまりにも早く表面的な部分を広げたせいで名声を裏付けるシステムを備えるにも限界があった。既存のオンラインショッピングモールと競争し、優位を占めるべきなのに商品の多様性やサービス面で頭角を現すことができなかった。グルーポンは昨年第4四半期の見通しよりも高い実績を上げて、今年2月には中国のアリババが株式5.6%を取得し、復活への期待感を高めているがまだ懐疑的な見方が多い。

    韓国でソーシャルコマース市場をリードしている企業は、クーパンとティモン、ウィメプなどの3企業だ。金融監督院の電子公示システムによると、昨年、これらが上げた売上高は1兆5400億ウォンを超える。このうち最も規模が大きいクーパンは約1兆1300億ウォンで、2014年に比べて3倍以上増加した。ウィメプは売上高が前年比72%増加し、ティモンも1959億ウォンで24%増加した。驚異的な成長速度だ。問題は、営業損失幅が大きいという事実だ。各社の営業損失はクーパンが5470億ウォン、ティモンが1452億ウォン、ウィメプが1424億ウォンで、すべて合わせると8346億ウォンに達する。 2014年に比べて4.5倍以上増加した数値だ。

    これに対して、これらの企業は成長の過程で避けられない側面があると弁明する。間違った言葉ではない。クーパンは物流センターとロケット配送の人材拡充のために、大規模な先制投資に乗り出している。ティモンとウィメプも、モバイル市場を掌握するために莫大なマーケティング費用を投入しないわけにはいかなかった。これら3社が攻略するモバイルコマース市場がしばらく急膨張するだろうという点から、時間が経過すれば赤字から抜け出す可能性もある。

    しかし、これは行き過ぎた楽観だ。ソーシャルコマースが赤字から脱出するには、基本に戻らなければならない。多様な商品やサービスの水準を高めることがそれだ。戦略を差別化することなく、相手が死ぬまで出血競争だけ繰り広げていると、グルーポンのような難しい道を歩む可能性もある。
  • 毎日経済 チャン・バクウォン論説委員 | (C) mk.co.kr | 入力 2016-04-18 19:30:45