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[筆洞情談] 学閥を上回る資本

    「大韓民国で出身大学は烙印だ。永遠に消えない烙印。良い学部を出ていない人は、絶対にA級になれない。外資系企業も本当に認知度の高い会社は人を採用する時、出身大学を全て確認する」(チョン・アウン小説『モダンハート』中)

    少し前まででも確かにそうだった。大学に執着する学閥主義は複数の病弊を生んだが、いまだに私たちの日常を支配している。入試が終われば、塾はSKY(ソウル大・高麗大・延世大)合格者の名前を掲げるのに忙しく、わが子を名門大に入学させるとして私教育に多大な金を注ぐ。匹夫匹婦が権力を獲得するための唯一のはしごは、学閥だと信じていたためだ。貧しくても熱心に勉強して良い大学に入れば、階層上昇エレベーターに乗れたのがこれまでの成功公式だった。

    ところが、より強い奴が現れた。資本だ。学閥による権力移動はますます薄れ、富と権力の相続が強固化しているという兆候があちこちで見られている。

    昨年2月、延世大学卒業式に張り出された「延世大出れば何なのか。無職なのに…」のようなプラカードは、学閥が就職市場でこれ以上の威力を持たなくなった現実を示している。

    フォーブス(forbes)分析の結果、資産10億ドル以上の韓国の億万長者のうち、相続人の割合が74.1%で世界平均(30.4%)の2倍を超えるものと表れたことは、創業を通じた階層移動のはしごが正常に動作していないということを意味する。親の財産と社会的地位に基づいて、子どもの将来が決定される「金スプーン・土スプーン論」が流行しているのもそのような理由だ。

    過去18年間、大学平準化、ソウル大学解体などを掲げて活動してきた市民運動団体「学閥のない社会」が最近、自主解散を決定した。学閥打破という所期の目的を達成したからではなく、学閥がこれ以上権力獲得の通路として作用しない現実を認識したためとしたから虚脱だ。巨大なモンスターを追いかけていたのに、突然、そのモンスターを脅かすより大きなモンスターが出現すると、これ以上追撃する意味を喪失したものと似ている。名門大の卒業生も就職難に苦しまなければならない現実、資本が世界の主人公になった現実は苦々しい。

    ソーシャルネットワークサービス(SNS)は、「朝鮮時代でもない高麗の門閥貴族社会に回帰した」「解散するのではなく『コネのない社会』に切り替えるべきだ」「学閥社会が良かった。今はスプーン時代」のようなコメントがあふれた。

    小川から龍が出る(鳶が鷹を生む)という時代はもう本当に流れていくヒットソングなのか。実力を通して補償を受けれる道は大きく開いているべきではないのか。学閥がむしろ公正に見える社会へと駆け上がっているのは本当に問題だ。
  • 毎日経済 シム・ユンヒ論説委員 | (C) mk.co.kr | 入力 2016-05-02 17:31:28