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[筆洞情談] 適正人口

    2010年から絶対人口が減少し始めた日本では、2040年には市区町村のうち半分の896市区町村が消える可能性があるという分析がある。田舎では子どもの泣き声が消え、若者たちは大都市だけに集中するため、現在存在している地方自治体の半分が失われる可能性があるという懸念だ。とうとう安倍晋三首相は2015年の人口1億人死守を掲げながら、これを担当する長官職を新設した。「1億総活躍担当相」という職だ。

    日本の人口1億人は超低出産国として進入した後、20年間必死にあがいても改善されなかったため打った背水の陣だ。1億人でこそ社会を維持できると計算して提示した数値だ。適正人口概念ではない。

    適正人口(optimum population)とは、ある社会の規模と経済的バランスの面で最も望ましいの人口水準をいう。適正人口を初めて主張した社会学者エドウィン・キャナンは、最適の平均生産力(1人あたりの生産量)を算出しながらこの概念を引き入れた。技術および生産資源と資本の量を一定に維持した条件で生産する場合、収穫加速の法則が作用して、平均生産力が最大に達する時の人口(労働力)だった。

    しかし、技術と資本などの生産要素を静態的状態で条件化して算出したものだけに、技術と生産設備での進歩を勘案すれば、このような概念の適正人口測定は無意味だという反論が少なくない。

    日本の1億人のように、私たちも死守しなければならない人口規模のマジノ線をいくらに設定すべきか。2015年末で5157万人のわが国の人口は、2030年に5213万人で頂点に達した後、減少傾向に入るという予想だ。2060年には4396万人で、1992年水準に戻るだろうという推定だ。

    合計出生率(妊娠可能な女性1人が産むと予想される出生児数)が1.3人未満の超低出産国に進入した後、15年間抜け出せずにいるため、わが国も死守すべき目標は立てなければならないようだ。昨年の出生児数43万5300人を毎年維持すれば、絶対人口が減少する時点でも4200万人をマジノ線として掴める。

    わが国の合計出生率は、2005年に1.05人まで減少したが今は1.24人に上がっている。政府は2020年までに合計出生率を1.4人に引き上げる目標だ。日本のマジノ線である1億人は合計出生率1.8人を達成しなければならない。わが国も人口死守目標を5000万人程度に決めるのは無理な数字だろうか。
  • 毎日経済 ユン・ギョンホ論説委員 | (C) mk.co.kr | 入力 2016-05-12 17:30:59