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[筆洞情談] 国際コーヒー機関(ICO)

    朝目覚めるとまず最初にコーヒーを飲む人は、人類の半分の約30億人と推定される。コーヒーは、人類が最も好んで飲む飲料のうちの1つだが、コーヒーの木とコーヒー豆を直接見た人は1%にも満たない。

    コーヒーは、石油に次いで世界貿易量2位を占めるが、後進国が生産して先進国で消費される代表的な品目だ。2015年基準のコーヒー生産上位10カ国は、ブラジル、ベトナム、コロンビア、インドネシア、エチオピア、インド、ホンジュラス、ウガンダ、メキシコ、グアテマラだ。コーヒー消費上位10カ国は、欧州連合(EU)、米国、日本、ロシア、カナダ、アルジェリア、韓国、オーストラリア、サウジアラビア、ウクライナだ。

    コーヒー消費世界6位の韓国のコーヒー産業の成長ストーリーは、全世界に類をみないほどドラマチックだ。1990年の韓国の1人当たりのコーヒー消費量は1234グラムに過ぎなかったが、2014年に3843グラムに増加した。2000年以降、1人当たりのコーヒー消費量は年平均9%増えたが、20歳以上の成人は1人当たり年間500杯以上のコーヒーを飲むと推定される。韓国人は、コーヒー学究熱も格別だ。韓国でバリスタの資格を取得した人は約16万人、世界最高のコーヒーの資格であるコーヒー鑑別師(Q-Grader)は、1000人にのぼる。全世界のコーヒー鑑別師の取得者が3500人、中国人が300人台であるという点を勘案すれば、非常に異例なことだというわけだ。

    韓国コーヒー市場は、2015年基準で6兆ウォンに達する。2007年までは「マキシム」に代表されるインスタントコーヒーが、全体の53.7%を占めていたが、最近では全国5万店以上のコーヒー専門店の割合が47%に拡大した。代わりに、韓国産インスタントコーヒーは、国内需要の減少により、海外市場を積極的に開拓し、ラーメンと焼酎を抜いて年間3200億ウォン以上輸出される親孝行商品になった。

    朴正煕(パク・ジョンヒ)元大統領時代、洋もく(外国製たばこ)と一緒に外貨浪費の主犯として集中し、販売が禁止されたコーヒーが10年連続で国内加工食品の3大輸出品に含まれているため、隔世の感だ。

    韓国に加え、コーヒーブームが起こっているところは中国だ。中国は2010年以降、毎年15%以上コーヒー消費量が増加しながら、2025年には米国を追い越すと予想されている。1963年に設立された国連傘下の国際コーヒー機関(ICO)が、韓国を次期本部候補地として積極的に検討するのもこのためだ。

    53年間、イギリス、ロンドンに位置していたICO本部は、2017年に賃貸期間満了に伴い、韓国仁川(松島 / ソンド)、釜山、京畿道龍仁(ヨンイン)、日本大阪などを巡って本部移転地を物色中だ。豆1粒できない韓国が、コーヒー大国に成長したことにも物足りず、ICO本部を誘致して世界コーヒー産業まで主導するなら、異変は異変でも楽しい異変であるはずだ。
  • 毎日経済 チェ・ギョンオク論説委員 | (C) mk.co.kr | 入力 2016-06-27 17:39:33