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[筆洞情談] 中年離婚

    「黒い髪がネギの根(白髪)になるまで百年偕老せよ」という結婚式のお祝いの言葉は、今や修正されるべきではないか。韓国の離婚率(2011年)は、経済協力開発機構(OECD)国家のうち9番目に高く、アジアでは1位だ。結婚した夫婦がケンカし、離婚に至る時期は、結婚して4年以下の場合が最も多かった。育ってきた環境、性格の違いなどで、互いに対する適応に失敗するためだ。通常、結婚生活20年を過ぎると、オシドリ、インコだと考えがちだ。ところが、20年以上経った中年夫婦の離婚が、2012年から4年以下のカップルを追い越し、その比重が増え続けている。

    28日、統計庁によると、昨年の総離婚件数10万9000件のうち、「20年以上共にした夫婦」の離婚割合が29.9%を占めた。離婚カップル3組のうち1組は、20年以上住んでも離婚印を押すという話だ。

    20年ならば、相手に対する「チューニング」もすべて終わり、葛藤が消えた時点だが、別れるカップルが増える理由は何か。「幸せな家庭は幸せの理由が似ているが、不幸な家庭は不幸な理由がまちまちだ」という小説『アンナ・カレーニナ』の中の文章のように、中年離婚の事由もさまざまだ。配偶者の浮気、暴力、ギャンブル、人格冒涜、性格の違い、経済的問題などと多様だ。過去にはこのような問題も大したことではないように乗り越え生きていたが、女性の地位が高まりながら、「これ以上我慢して生きられない」、「残りの人生は幸せに暮らす」という独立宣言が相次いでいるということだ。

    男性が退職した後、家に滞在しながら、妻と葛藤を深め、離婚に駆け上がる事例も多い。サムシギ(家で3食食べる夫)、パドゥギ(妻の後をついて歩く夫)などの退職した男性を卑下する新造語が生まれたのも、このような社会像を反映したことだ。1日30分も会話していない40~50代夫婦が、3組のうち1組だという統計もあったが、このような現実も中年夫婦の危機を育てる。平均寿命が大幅に長くなったのも理由だ。2014年基準の韓国女性の期待寿命は85.5年で、男性(79年)より6.5歳長く生きる。60歳に離婚しても、20年以上をさらに生きられると思うと、「不幸な家庭を維持する」より「生活の質」を優先視するようになったということだ。

    最近になって、「結婚を卒業する」という意味の「卒婚」、「婚姻関係を解消してあげる」という意味の「解婚」などの新しい別れのタイプも登場した。法的には別れなくても、相手を自由にしてあげるという傾向だ。伝統的な結婚観の亀裂の兆しなのかもしれない。一度結婚したら我慢して生きるべきということではない。しかし、中高年層の離婚の急増は、高齢者の貧困、孤独死、自殺などの社会問題につながる可能性があり不安だ。
  • 毎日経済 シム・ユンヒ論説委員 | (C) mk.co.kr | 入力 2016-06-28 17:36:19