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[筆洞情談] パク・ユチョンとカン・ジョンホ

    性的暴行の疑いで女性4人に告訴された歌手兼俳優のパク・ユチョンが去る11日、無嫌疑処理された。警察は、「現在までの捜査状況では、強制性を認めにくい」とし、「性関係があった当時に暴力や脅迫があったと見るのは難しい」と明らかにした。パク・ユチョンと女性の性売春の容疑に対する捜査はまだ進行中だが、性的暴行と関連した「濡れ衣」は脱がされた。しかし、性スキャンダルが発覚後、1カ月間、彼は世論に乱打され、満身創痍になった。

    事件が起こるとすぐ扇情的な悪質な噂と虚偽推測性の報道が飛び交い、彼は性的暴行犯として烙印を押され、ずたずたに噛みつかれた。「刑事被告人は、有罪判決が確定するまで無罪と推定される」という無罪推定の原則は、どこにもなかった。世人たちは真実が明らかになるよりも前に「有罪推定」を通して、彼を犯人として追い込んだ。自己管理をできなかった責任は大きいが、不器用な世論の審判で致命的ダメージを受けたのは気の毒だ。

    一方、同じ容疑で訴えられた大リーグのピッツバーグ・パイレーツのカン・ジョンホ(姜正浩)の場合は、パク・ユチョンと違った。性的暴行の疑いが事実ならば、彼は重い懲戒を避けられず、選手生活からも退かなければならない危機に直面している。しかし、出場停止や懲戒を受けるという懸念とは異なり、ピッツバーグ球団の対応は慎重だった。事件が起きた後でも、球団はいつものようにカン・ジョンホを試合に出場させ、彼は決勝打を飛ばしたりもした。有罪と明らかにされるまでは、無罪と見なければならないという原則が徹底して守られているのだ。

    地域メディアも成熟した態度を見せてくれた。地元紙ピッツバーグ・ポストガジェットは、「検察から起訴されていない以上、チームに残って普段どおり試合に出るのは当然だ」と明らかにした。しかし、韓国メディアは「カン・ジョンホその夜何が…」「道徳性致命的ダメージ、キングカング墜落か」「拡大する疑問と疑惑」などのタイトルをつけて扇情的に報道した。

    公人に高いレベルの道徳性を要求することが、韓国の文化だ。しかし、彼らが不適切な問題に巻き込まれる場合、事実確認より「火のない所に煙は立たぬ」とし、ひとまず中傷するのは正常ではない。

    最近、チュ・シンス(秋信守)はポータルサイトに上がったコメントに「米国メディアはカン・ジョンホを保護するのに、なぜ韓国メディアはジョンホを保護しないのだろうか」とし、「結果が出た後に石を投げても遅くない」と記した。

    真実が明らかになる時まで、非難と批判は少し我慢するのが正しい。いつまで「違うのならいい式」の憶測と噂に一喜一憂するのか。
  • 毎日経済 シム・ユンヒ論説委員 | (C) mk.co.kr | 入力 2016-07-12 19:45:04