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[筆洞情談] ポケモン狩り

    モバイルゲーム『ポケモンGO』発売わずか18日で、米国で捕獲できるポケモン142匹を全てゲットした「ポケモンマスター」が誕生した。20代の会社員である彼は、夜になれば街を歩き回って狩りをしたという。ポケモンが何だといって睡眠もとらず、そうするのかと思うが、子どもの頃にポケモントレーナーの真似をし、おもちゃのキャラクターを収集した世代なら、そうするだろうとも思う。

    ゲームなら『テトリス』と『エニパン』の経験がわずかである私さえも、この夏季休暇期間に『ポケモンGO』を体験してみて、その楽しさにすっかりはまった。海外に行ったついでに挑戦してみることにして、iPhoneの米国アカウントを追加で作成したが、アブダビホテルのロビーだけで数十匹を捕った。自分の近くにポケモンが現れれば、携帯電話が振動しながら、仮想と現実が結合した拡張現実の画面の中にポケモンが登場した。モンスターボールを上手く照準を合わせて投げれば、ゲットできるが、ピカチュウやズバットはよく逃げ回り、モンスターボールの無駄遣いがひどかった。中学生の息子からポケモンの進化、インキュベーター内の卵の孵化、香り・スプレーでポケモンを誘惑するなどの技術を習ってみるとより興味が沸いた。ドバイ最高層ビルのブルジュ・ハリファに珍しいアイテムである伝説のポケモン「レックウザ」が出没するという噂を聞いて訪れたが、ゲットできなかった。伝説のポケモンは、火山地帯、海底、1級軍事施設などに生息しているといううわさだけが茂っている。名所に設置された「ポケモンジム」で館長と戦闘して勝てば、経験値を獲得できるが、初心者には容易ではなかった。『ポケモンGO』は、進化、レベルアップ、アイテム、戦闘などの既存のゲームの商業的要素のすべてを備えているという点が特徴的だった。

    驚くべきことは、旅先の観光スポットに行くたびに、ポケモンやアイテムを得られる「ポケットストップ」が画面に出てくるということだった。文化遺産などはともかく、町の美術品の写真までどのように取得したのか気になったが、ナイアンティック(Niantic, Inc)が過去に開発したゲーム『Ingress』のユーザに有名な場所の写真を撮って上げれば、ポイントを与える方法で確保したものだという。クラウドソーシングで次期ゲームに使用する資料を集めるとは画期的だ。有名レストランやファッションショップなどをポケットストップに指定するか交換、取引、珍ポケモンの追加などが行われた場合、経済的効果も途方もなく大きいだろう。

    『ポケモンGO』が世界的突風を起こしたのは、「ゲームは座ってするもの」という既存の枠組みを破ったことにある。卵を孵化させるには、2~5キロを歩かなければならない。韓国に帰ってきた後、『ポケモンGO』の画面の地図が消え、広い海になったのを見ると、ややがっかりした。束草(ソクチョ)、蔚山(ウルサン)の『ポケモンGO』嵐を見た時、消費者は新しいゲームに応答する準備は十分だ。韓国のゲーム業界がゲーム大国の位相にふさわしく奮発すべき時だ。
  • 毎日経済 シム・ユンヒ記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2016-07-31 09:06:43