記事一覧

ニュース

数字経済

テクノロジー

コラム

ビューティー

カルチャー

エンタメ

旅行

韓国Q&A

新造語辞典

もっと! コリア (Motto! KOREA)
コラム > 総合

サムスン電子のコ・ドンジン社長が掲げる「モバイルエコシステム」

    サムスン電子の野心作であるギャラクシーノート7(Galaxy Note7)が正式に発売される前から、韓国内だけで数十万台の予約販売が行われるなど、突風を起こしている。「虹彩認識」という秘密兵器に加えて、一層進化したSペン、防塵・防水など、ユーザーの便宜を向上させる様々な機能が加わり、前作であるギャラクシーS7(Galaxy S7)の人気を上回る勢いだ。ギャラクシーノート7がベストセラーに合流すれば、サムスンのスマートフォンは、連続ホームランを打つことになる。その中心には、昨年12月にIM部門無線事業部の指揮官になったコ・ドンジン社長(54)がいる。

    彼は去る2日、ニューヨークで開かれたギャラクシーノート7の公開イベントでスマートフォン市場を平定するビジョンを提示した。「サムスンモバイルエコシステム(生態系)」がそれだ。ハードウェアとソフトウェアの結合により、消費者に差別化された体験を提供するというのが要旨だ。「サムスンペイ、ノックス、サムスンパス、サムスンクラウドサービスは、モバイルエコシステムを成して、特別なスマートフォンの経験を与える。虹彩認識も、画面をアンロックするために開発したものではなく、モバイルバンキングと連携するなど、大きなロードマップを持って進めている」

    コ社長の馬鹿力は、すでに市場に大きな印象を残した。彼が無線事業部を担当してから発売したギャラクシーS7とギャラクシーS7エッジは期待以上の実績を記録した。IM部門の営業利益は、今年の第1四半期に前年同期比で42%も増加した3兆8900億ウォンを記録し、第2四半期には2年ぶりに4兆ウォン台を回復し、サムスンスマートフォンの復活を知らせた。実は、コ社長は簡単ではない宿題を抱えて出発した。アップルだけでなく、ファーウェイのような中国企業の浮上により競争がますます激化しているスマートフォン市場で成長を続けなければならかなったからだ。油断してしまっては、Nokiaのような運命に直面するかもしれないという危機感が広がった。しかし、コ社長は、サムスン電子の技術と実力を信じていた。

    彼は従業員にこのような言葉を頻繁に伝えた。「最適な人材が十分な時間を持って準備することができるように、信じて待てばよい。競合他社を意識する必要はない。私たちだけのロードマップを持って、道を進むことにしよう」

    このような信念は、コ社長自身の経験から始まった。産業工学科出身の彼は、1984年にサムスン電子に入社した後、開発管理課と人事、情報通信総括ヨーロッパ研究所長を経て、無線事業部では海外商品企画、開発管理、技術戦略など、重要な業務を担当した。ギャラクシーの誕生と成功を導いた主役でもある。この過程で、彼はハードウェアとソフトウェアを網羅する知識と見識を持つようになり、人材とシステムを備えたサムスン電子の底力を誰よりもよく知っていた。スマートフォン市場を主導する戦略として「サムスンモバイルエコシステム」を掲げたことも、彼のこのような経験から出てきた結果ということができるだろう。
  • 毎日経済 チャン・バクウォン論説委員 | (C) mk.co.kr | 入力 2016-08-14 07:20:17