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[筆洞情談] 蒸し器の教室

    子どもたちが苦労する。比類のない猛暑のせいで学校ごとに炎天下と戦争の真っ最中だ。学校の建物自体が古いうえ、電気料金を恐れ、エアコンも思いのままに稼働できないため、炎天下の照りつける最上階の教室は40度に迫るほどだ。ただでさえ、体格の大きい子どもたちがサウナとも変わらない熱気を耐えてみると、癇癪と争いが絶えないという。フロア別に間欠的につけていたエアコンさえ、午後3時からは全面停止だ。校長、教頭、先生を問わず、扇風機ひとつで黙々と堪えなければならない苦役の時間だ。児童虐待や人権侵害と変わらない。学校ごとに短縮授業、一時休校などの苦肉の策を出しているが、教育用電気料金体系の変更や学士日程・授業日数の変更などの根本的な解決策がない限り、蒸し器の教室は毎年繰り返されるしかない。

    週5日授業のために、小学校さえ夏休みが1カ月余りに減って久しい。高校はさらに甚だしい。11月の大学修学能力試験終了と同時に、学士日程が終わるものとみなされ、授業日数を無理に合わせなければならないためだ。今年もソウル地域の高校の夏休みの日数は、13~18日に過ぎなかった。冷房をつけてくれないのなら、夏休み日数も増やすことが答えだ。

    無理してエアコンを稼動した学校は、電気料金の爆弾の心配に戦々恐々している。教育用電気料金単価は、1kwh当たり125.8ウォンで産業用(107.4ウォン)はもちろん、住宅用(123.7ウォン)よりも高い。教育用電気料金は、基本料金と使用量料金で構成されるが、基本料金は夏期(6~8月)、冬季(11~2月)および当月中で電力需要が最も高かった値(最大需要電力)を適用する。例えば、6月のピークの電力が200キロワット、暖房需要が多い12月のピークの電力が600キロワット場合、6月の基本料金は600キロワット基準で策定される方式だ。電気を相対的に少なく使う春・秋にも、真夏と真冬のピークの電力を適用した基本料金を支払う構造であるためあっけにとられる。さらに、教育用電気料金は、毎年最大6.9%ずつ、最近7年間で45.6%も引き上げられた。2014年基準のソウルの小・中・高校が負担する電気料金だけで785億ウォン(2014年基準)に達する。全体の学校予算の中で、冷暖房費が19%と最も大きな役割を占めるほどにもかかわらず、政府や韓国電力は馬耳東風で、高みの見物だ。

    家庭用電気料金累進制の波動に驚いた政府が、電気料金体系の改編を推進中だが、教育用電気料金こそ不合理の極致だ。教育用電力の使用量は、全体の電力使用量の1.6%に過ぎない。所得3万ドルを云々する国で子どもたちに教育を受ける権利1つも守ってくれないため、情けなくてもどかしい。真夏の蒸し器の教室、真冬の冷たいオンドルの教室から解決することが、教育福祉、児童福祉の第一歩だ。
  • 毎日経済 チェ・ギョンウク論説委員 | (C) mk.co.kr | 入力 2016-08-28 08:18:53