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[筆洞情談] 水っぽい韓国産ビール

    「Give us an hour,We`ll give a century」数年前に訪問した中国青島の「青島ビール博物館」の前に張り付いていた言葉だ。「この自信は何か」と考えながら入った博物館には、過去に麦芽を炒めていた設備から先端発酵システムなどの1903年から始まった青島ビールの100年の歴史が縮小されていた。崂山地方の鉱泉水とドイツの技術で作られた青島ビールは、世界80カ国に輸出されるほどのグローバル化に成功した。「飲酒歌舞」の国だが海外に打ち出すブランドが1つもない韓国酒の現住所が突然寂しくなった。

    国民1人当たり年間に飲むビールは、150瓶に達する。しかし、「水っぽい」「薄い」などと国産ビールの評価は否定的だ。ついにある外信記者が、「韓国産ビールが北韓(北朝鮮)の大同江ビールよりもまずい」という悪評までを出した。

    ビール産業の発展の障害物は、1つや2つではない。市場の寡占が最も大きな問題だ。国内ビール業界は1930年代に出発したが、80年が過ぎても3企業が市場の95%以上を占めている。これらの企業が独占体制に安住し、研究開発(R&D)を怠ってきたという評価が多い。国産ビールは90%以上をラガー(Lager)が占めるほど画一的だ。ビールメーカーは、「濃いビールを出しても、消費者が見向きもしなかった」、「塩辛い食べ物のために滑らかな製品を選好した」と抗弁する。また、ビールや焼酎を混ぜて飲む爆弾酒文化と酒の消費が多い遊興業が売上高を上げようと、弱いビールを販売しながら「薄いビール」が大勢になるしかなかったという話もある。しかし、ワイン愛好家たちが輸入ビールを好みながら、輸入ビールの市場シェアは2010年の2.8%から昨年には8.4%まで増加した。

    出庫価格の72%に達する酒税も足を引っ張っている。韓国は工場出荷価格に税金を課す従価税を適用しているが、酒類業者が出庫価格を下げることに没頭し、品質が落ちるという副作用が生じている。政府が今年から小規模酒類製造免許を許可することにしたのに続いて、昨日、ビール施設、価格、流通規制緩和などを骨子とした公聴会を開催した。不必要な規制を取り除いてこそ、国産ビールの競争力が上昇する。「水ビール」ではなく、多様な国産ビールを楽しむ日が早く来てほしい。
  • 毎日経済 シム・ユンヒ論説委員 | (C) mk.co.kr | 入力 2016-08-30 17:54:26