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[筆洞情談] 台風の名前

    朝鮮半島(韓半島)東南部を襲って去っていった台風「チャバ」の威力はすごかった。10月に来た台風としては6年ぶりだが、釜山海雲台(ヘウンデ)では海辺の高層ビルの1階が津波性の波に浸り、蔚山(ウルサン)ではアパートの駐車場に止めておいた車が腰まで満たした水に浮かんで流れた。チャバはタイ語で花の名前だというが、私たちにとっては恐ろしい水魔の象徴として記憶される状況だ。

    台風は、フィリピン諸島付近で発生した強い熱帯性低気圧で成るタイフーン(typhoon)を指す用語だ。同じ性質の熱帯性低気圧としては、メキシコ湾や西インド諸島で発生するハリケーン(hurricane)、インド洋のベンガル湾やアラビア海で発生するサイクロン(cyclone)、オーストラリア付近のティモール海で発生するウィリー・ウィリー(willy-willy)などがある。最近、ウィリー・ウィリーはサイクロンに名前を統合して使用している。

    台風に名前を付けたのは1953年からだった。オーストラリアの気象予報官らが、各自嫌いな政治家の名前をつけたという。米空軍と海軍でも台風に名前を付けたが、各自の妻や恋人の名前を使ったというから機転が利いている。

    公式的な命名は、米国領グアム・アンダーセン基地の共同台風警報センター(JTWC)から始まった。英語のアルファベットのQUXYZを除き、A、B、Cの順につけていった。1978年まではすべて女性の名前を付けたが、被害を与える台風の名前に女性の名前だけを付けることは、男女差別だという批判により、以降は男女を混合した。

    2000年からは、アジア台風委員会に加入した14カ国が提出した10個ずつの固有の名前を使っている。米国以外にはアジア・太平洋近隣諸国だ。各組28個ずつ5組に分けて順番に使用するが、ひと回り回れば、再び1番から使われる。1年に約30個ずつ台風が発生するため、約4~5年後には同じ名前の台風を見ることができる。

    韓国が提出した名前は、アリ、小百合、バラ、カワウソ、ノロジカ、ツバメ、タヌキ、白鳥、ナマズ、蝶だった。北朝鮮では、雁、桔梗、カモメ、セミ、こだま、柳、タンポポ、松、ホウセンカ、翼などを選んだ。純韓国語の名前のすべての台風が被害が大きくないことを願う気持ちから、柔らかく美しい動植物の名称を提出したというが、時々鋭く攻撃をする台風にきれいなハングルの名前もつけるのが惜しい。
  • 毎日経済 ユン・ギョンホ論説委員 | (C) mk.co.kr | 入力 2016-10-08 09:36:41