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[筆洞情談] 高脂肪ダイエット

    最近似たような投稿がFacebookを覆い包んでいる。ご飯は抜いて肉や野菜、チーズなどで飾った食卓の写真と、これから脂肪を増やして炭水化物を減らすという決意のコメントだ。最近10人以上が集まった夕食の集まりでも、低炭水化物食にこだわってご飯に手もつけない人が半分を超えた。

    最近、ある放送局が『食卓、常識を覆す-脂肪の濡れ衣』編を放送した後に起きた出来事だ。「志を同じくする人同士、食べ放題焼肉店で夕食を食べよう」という「高脂肪稲妻」のメッセージも飛び込んできた。マートで肉、バター、チーズなどが過去よりもよく売れているというため、まさに「高脂肪・低炭水化物ダイエットブーム」と言える。増える体重のために肉を食べられなかった人々は、免罪符でも得たように快哉を叫んでいる。

    肥満の主犯として指摘されてきた脂肪が、急に身体に有益な栄養素に変身し、ご飯力で生きていた韓国人にとって炭水化物が突然敵になった荒唐無稽な状況だ。このような食事を一定期間維持した結果、やせたという人が出ており、私もその気になる。果たしてこの「栄養素の逆転」を信じていいのだろうか。

    理論はこうだ。炭水化物は、私たちの身体に入ると糖になるが、エネルギー源として消費され、残りの糖は脂肪になって、肥満を引き起こすことになる。しかし、脂肪を食べる場合、必要な分だけ吸収され、残りは排出されるため全く悪いものがないということだ。

    しかし、反対意見も少なくない。炭水化物を減らせば、私たちの身体は脂肪を分解してケトン体をエネルギー源として活用するが、人によっては頭痛、便秘、疲労感などを感じさせるということだ。体質が違う人に無差別に勧めするのは危険だという意見だ。スウェーデンでは、高脂肪・低炭水化物の食事療法が検証を受けたという意見などの議論はまだ進行形だ。

    これまで数多くのダイエット方法が出現して消えた。肉だけを存分に食べる「皇帝ダイエット」、ゆで卵とグレープフルーツ、ブラックコーヒーだけを食べる「デンマークダイエット」、果物や野菜などを1種類の食品だけを集中攻略する「ワンフードダイエット」などが人気を集めた。週に1回以上24時間断食し、それ以外は16時間空腹を維持する「断続的断食」が流行したこともある。しかしそのようなダイエット法は、すべての人々を同時に満足させられず、新しい流行に押されて消えていったりもした。ただし確実なことは、ダイエットには王道がないということだ。「おいしく食べればカロリーゼロ」という笑い話が事実なら良いだろうが、現実はそうではない。やせようとするなら、食べた量より多く消費しなければならないことが真理だ。
  • 毎日経済 シム・ユンヒ論説委員 | (C) mk.co.kr | 入力 2016-10-15 09:09:06