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[I ♥ 建築] DMZと漢江

    現在、全世界で最も文化の違いが大きい2つの地域を探すなら、韓国と北朝鮮だろう。韓国と北朝鮮は同じ言語を使用するが、理念と経済システムの差で完全な別世界だ。2つが1つに融合しない理由はいくつかあるが、そのうちの1つは4キロ幅のDMZのためだ。このような空間的条件が韓国と北朝鮮の自然な交流を防いでいる。これは、単に壁で分かれていたベルリンの壁以上だ。

    韓国と北朝鮮ほどではないが、本当に融和していない文化的な違いを持つのが江北と江南の差異だ。江北と江南は生まれながらにして旧都心と新都心の差、道路網の差などのさまざまな差異がある。江南ができて40年が経った。長い時間を経て、2つの文化の違いが縮まりはしたものの相変わらずだ。支持政党と住宅価格の差が物語っている。江北と江南の差異が維持されている理由の1つは、幅1キロ以上の漢江のためだ。

    漢江は、世界の多くの都市が持っている川と比べても非常に大きな川幅を持っている。セーヌ川の川幅は120メートル程度であるため、漢江はセーヌ川の10倍に達する幅だ。川幅が広いため、自動車や地下鉄などの交通手段を利用して渡らなければならない。江北の金湖(キムホ)洞から江南の狎鴎亭(アックジョン)洞に行くには、車に乗って東湖大橋を渡ったり、地下鉄に乗って渡らなければならない。そのため経験が連続的でない。万一、我々が金湖洞からものを買うなり、通りを見ながら歩いて川を渡って狎鴎亭洞に越えてきたなら、連続した経験で金湖洞と鴨鴎亭洞が繋がるだろう。このように経験が連続的になれば、境界が曖昧になる。そうなれば、江北と江南の文化的な違いは縮まり融和されるだろう。そのような面から漢江には歩行者専用の橋が必要だ。横でほこりを撒きながら走る車がない静かな歩行者専用の橋の上を漢江を楽しみながら落ち着いて渡れる時、ソウルは2つに分かれるより1つになるだろう。もちろん、江北と江南の差異が個性として維持されることもいいだろう。しかし、1、2カ所ほどはゆっくりと歩いて漢江を渡りながら、ソウルを1つに繋げて感じる経験も必要ではないかと考えられる。
  • 毎日経済 ユ・ヒョンジュン弘益大学建築学科教授 | (C) mk.co.kr | 入力 2016-10-21 16:16:37