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[I ♥ 建築] 階段礼賛

    仕事をしていて頭を休ませたい時には、オフィス近くの路地を散歩する。大地が傾斜していて、縦横路地の長さがまちまちなので路地の傾斜の両方が異なり、可愛らしい。歩いてみると江南のど真ん中の路地なのに風情が感じられる。なぜかというと、いくつかの場所に小さな階段があるからだ。路地に階段がある場合、障害者には障害となる。しかし皮肉なことに、階段は自動車を防ぐバリケードとなって歩行者を保護することもある。だから、私はオフィスビルの前の道を「階段の道」と呼ぶ。

    現代の都市は、自動車に征服された。都市を作るということは、自動車に心地よい場所を作るのと同じ意味で使われる。広い車線の道路は直線的で、どこに行くにも駐車場がなければならない。私たちの外部空間は車で溢れている。このような自動車の独走を防ぐ唯一の建築機器が「階段」だ。紀元前4000年ごろメソポタミアで最初に発明されて以来、車輪は継続して道路を平らに作ってきた。時には道路のために山を削らなければならなかった。平らな道が作られると、人のためのスペースが作られる。平らな広い道が折れて一段上がれば、人道になる。平らな路地が複数回折れたら階段が作られる。階段は車輪では上がるこ​​とができない。ひたすら「足」の者だけが上がることができるところだ。平らな道は車輪のための道で、階段は足のための道だ。だから車が普及する前の建築と都市には特に階段が多かった。

    都心の中でいまだに階段が残っているところは、古い旧都心地域だ。三清洞、梨花洞、経理団キル、釜山甘川村などが代表的な場所だ。道が狭く階段があるような町は、自動車を避けてきた人たちで混雑をなす。彼らは都市の自動車を避けてきた「避難民」というわけだ。階段がある路地には、通過する車両がない。

    そのおかげで路地は、静かで歩くのに適している。適切な階段は、私たちの路地を生かすこともある。階段は、自動車から人を守る番人だ。また、階段は、お金を出さなくては座るところがないこの街の中でしばらく休んで行くことができる無料のベンチになったりもする。
  • 毎日経済 ユ・ヒョンジュン弘益大学建築学科教授 | (C) mk.co.kr | 入力 2017-03-27 16:50:59