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崔泰源SK会長の「白猫理論」

    延世大100周年記念館では、「社会成果インセンティブアワード」という異色イベントが開かれた。社会的価値と財務を同時に高めた社会的企業に賞を与える席だった。目を引いた場面は、崔泰源(チェ・ テウォン)SK会長が直接参加したトークコンサートだ。

    彼は普段から社会的企業が疎外階層支援と二極化の解消などの当面の問題を解決する鍵だと主張してきたが、この日も同じ見解を表明した。「企業はお金を稼ぐことに加え、他の価値を持っている。慈善活動もその一つだ。これを評価してインセンティブを与えると、より多くの社会的企業が生まれるだろう」。社会的企業が持続させようとするならば、賃金などの固定費をカバーするほどの収入が必要だ。人材の勧誘と販路の確保の側面から不利な社会的企業は容易ではない。崔会長が社会成果インセンティブが必要だと強調する理由だ。

    彼は2014年に発刊した 『新しい模索、社会的企業』という著書で「白猫理論」を通じて社会的企業がどのような存在で、社会成果インセンティブとは何かを説明した。「村にねずみが猖獗している。ライオンと犬はねずみを捕獲できない。猫が最適だが、特に白猫は子を産む母ねずみをよく捕まえる。白猫がねずみを捕獲するたびに沢山の魚をあげれば、問題を解決することができるのではないだろうか」。ねずみは私たちの社会が直面している様々な問題を意味する。

    ライオンは国を守る政府で、犬は営利企業だ。猫は社会的企業で、魚はインセンティブだ。白猫は社会の価値を最大化する企業をいう。崔会長は、SKのような大企業が白猫たちに魚を与える余力が大きいと確信している。「社会的企業と多くの資産を共有する場合、大企業も視野を広げることができる」。SK主要系列会社が定款に「社会的価値の創出」というフレーズを入れたのも、このような哲学を反映したものだ。

    SKハイニックスは、今年第1四半期2兆5000億ウォンに迫る営業利益を上げた。前年同期比339.2%増加した数値だ。チェ会長はハイニックスを買収したあと、「ディープ・チェンジ(根本的な変化)」を掲げて投資を拡大した。このような努力は半導体の好況と重なり、史上最大の実績につながった。

    SKイノベーションなど、他の主力会社も同様の成果を出している。しかし、チェ会長の最終的なビジョンは社会的価値を高める企業の「ディープ・チェンジ」だ。彼は、利益のために環境を破壊し、労働者を搾取して人間を疎外させる企業ではなく、人類の幸福に貢献する企業があふれる世界を夢見ている。優しい犬と白猫が増えれば実現できる夢だと信じている。
  • 毎日経済 チャン・バグォン論説記者 | (C) mk.co.kr | 入力 2017-05-02 09:27:42