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[筆洞情談] ハネムーン期間

    文在寅(ムン・ジェイン)大統領就任初期であるいま、「ハネムーン期間」という言葉がよく登場する。米国政界の「ハネムーンピリオド(honeymoon pieriod)」に由来する用語だ。

    新大統領就任後100日間のあいだ、議会とマスコミは配慮をするのが普通だ。結婚したばかりの夫婦の時のように序盤には叱責と批判の矛先を鈍くしてくれというのと同じで、政権の移讓を受けた任期序盤には不慣れのため一定期間は見守ってほしいという趣旨だ。目を閉じて見逃すという意味ではなく、失敗をしてもあまり叩かないでくれという愛嬌の混じった要求のため、それゆえ「グレースピリオド(Grace Period)」とも呼ばれる。

    就任後100日は、大恐慌期であった1932年フランクリン・ルーズベルト米大統領就任直後に始まった議会特別会期が100日で終わったところから生まれた。この時ルーズベルトは議会と協力して多くの経済危機克服の法案を通過させ、危機脱出の土台を磨いた。

    2008年に初の黒人大統領という栄誉を得て発足したオバマに、米国のメディアは比較的長い「ハネムーン期間」を与えた。一方で、荒い言辞と相手への攻撃をためらわないスタイルであるにも関わらず当選したドナルド・トランプ大統領は、マスコミと就任初日から戦いを繰り広げ「ハネムーン期間」はなかった。最近ジェームズ・コミー元連邦捜査局(FBI)局長解任の波紋が大きくなったトランプは、マスコミ報道に対する不満で100年以上続いてきたホワイトハウスのブリーフィングをついに無くすかも知れないと脅している。

    保守媒体も進歩媒体もマスコミというのは是非をただす本来の任務のため、権力を握った政府に友好的な態度を長く見せないだろう。批判の刃が鈍くなったメディアをどの読者と視聴者が好きになるだろうか。しかしながら四面楚歌の危機的状況に陥った韓国を泥沼から救い出すために、全員が手をつなぐ思いで権力とマスコミの「ハネムーン期間」が必要だともいえる。

    文在寅大統領が報道機関の代表を呼んで「ハネムーン期間」を長くしてほしいと要請することを願う。編集局長や報道局長とも個別に会って胸襟を開いて助けを求める提案をするのも良いだろう。過去の政府は、12月中旬当選後の翌年の2月25日の就任式まで政権の引受委員会を稼動する期間に2か月のハネムーン期間を経てきた。就任後に与えられる通常のハネムーン期間が100日ほどであるならば、今回は与えられなかった引受委員会の2か月をおまけとしてハネムーン期間にのせてくれと要請することも勧めたい。
  • 毎日経済 ユン・ギョンホ 論説委員 | (C) mk.co.kr | 入力 2017-05-17 07:29:05