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[筆洞情談] 学力考査世代

    1990年代ある年の代入試験で高校2年の後輩が全国首席をとった。1年の時から全国単位の模擬試験で何度も1位をとった秀才だった。すべての先生が「貧しい家庭環境でも勉強のできる生徒」と耳にたこができるほど後輩を賞賛していた記憶が鮮明だ。直接尋ねる機会はなかったが、彼が私教育を受けていないというのは確信を持って言える。彼と私が卒業した学校は地方の男子校だったのだが、私たちの学年で課外教育を受けていた友達は全校ひっくるめて1人だけだった。

    20年がはるかに過ぎた今でも、高校の同級生同士で会うとその後輩の話をすることがある。結論はいつも同じだ。地方の貧しい高校から全国首席が出た時代、課外を一度も受けずに名門大学に行くことのできた時代、内申に対する重圧感が大きくなかったあの時代がむしろ良かったということだ。

    1982年度入学生から1993年度入学生までにわたる、いわゆる「学力考査」世代はほぼ例外なくこのような郷愁を持っているようだ。多くの男性が過去の軍生活を美化するように、過去の領域に属するある程度のものは美しい、少なくとも現在よりよく見えるものだ。実際に学力考査は千篇一律的な暗記式教育、全国の大学の序列化、試験1回で一生が決まってしまうという問題などを抱えていた。

    ただし、乱数表のような今の大学入試に比べて透明かつ予測可能で、承服するのが容易だというのは利点だった。学区別の学力差はその時代にも存在したが、外国語高校や私立進学校が優秀な人材を独占する今の違和感には比べられるほどではなかった。

    教育部の長官候補者としてキム・サンゴン前京畿道教育長が指名されたあと、教育改革をめぐる議論が本格化している。「エリート教育」とは無関係に過度な教育費と二極化をもたらしたと批判される外国語高校や私立進学校は、廃止側の世論支持者が多く出てくる。

    一方で修能(大学修学能力試験)の絶対評価の導入に対しては、結果的に学生部総合選考の割合を大きくして「内申地獄」と 「スペック管理」競争をさらに深化させるだろうという心配が大きい。世の中に完全無欠な制度はない。ただし学力考査世代の一員としてこのような疑問は感じる。果たして今の世代の学生は学力考査世代に比べて、より多様な経験と全人的な教育を受けているのだろうか。彼らはより創造的で、4次産業革命により適切なのだろうか。私は正直、確信を持つことができない。
  • 毎日経済 ノ・ウォンミン 論説委員 | (C) mk.co.kr | 入力 2017-06-21 08:33:39