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[筆洞情談] ハンバーガー

    「しかし私はこれから、フニャフニャしたものに対しても瞑想するつもりだ」で始まるチャン・ジョンイルの詩『ハンバーガーに対する瞑想』は、過度に詳細なハンバーガーのレシピが込められている。1987年に発表されたこの詩は「ハンバーガーを作って食べる種族」という表現で米国式資本主義にこっそり触れるのだが、「美味しくて栄養価の高い米国式おやつ」だと締めくくり、マクドナルドが作ったファストフードに対して妙な憧憬を送る。そんなチャン・ジョンイルの詩から30年が経つ。ハンバーガーは手軽さと味で国民から愛されている。マクドナルド、バーガーキング、ロッテリアなどが競争しつつ、韓国のハンバーガー市場は2兆ウォン台にまで成長した。

    ハンバーガーは17世紀、独ハンブルグの商人らがモンゴルのタルタルステーキを模倣して、質の低い肉を挽いて火に焼いて食べたことから由来した。タルタル族は肉を固めて塩とコショウそしてタマネギ汁と一緒に生で食べたのだが、ドイツに伝わってこんがりと焼いて食べるようになった。19世紀初めに米国へ移住してきたドイツ人たちによって紹介され、ハンブルクステーキと呼ばれながら今日のハンバーガーとなったわけだ。

    世界的なハンバーガー王国は断然「マクドナルド」だ。マクドナルドはミキサーのセールスマンだったレイ・クロックが創業した会社だ。彼はミキサーを8台注文したマクドナルド兄弟の飲食店を訪問し、注文後30秒でハンバーガーが出てくるのを見て強烈な印象を受けた。そしてその店を買収し、全世界に3万5000店舗を保有するフランチャイズに育てたのだ。レイ・クロックはファストフードという食べ物の属性のように、「他人の時間を1分無駄にするたびに、私の収入が1ドルずつ減る」という経営理念を持っている。これは今でもマクドナルドの重要な原則だ。

    昨年9月、国内のマクドナルドでハンバーガーを食べた4歳の子供が溶血性尿毒症候群(HUS)の診断を受け、「ハンバーガー病」の議論が加熱している。被害者の家族は加熱が不十分なハンバーガーのパテが原因だとし、マクドナルド韓国支社を検察に告訴した。1982年、米国で加熱が不十分なパテの入ったハンバーガーを食べた人々がHUSにかかるやいなや、ハンバーガー病というニックネームがついた。とは言え、この病気の原因菌であるO157大腸菌の感染ルートは加熱の不十分な肉だけでなく、腐った牛乳や汚染された野菜などさまざまだ。

    原因が不明確な状態で「ハンバーガー恐怖症」が広がっていることは憂慮される。「牛脂波動」「ゴミ餃子」などの事件が示したように、食べ物と関連した「怪談」はとてつもない波紋を生むことになる。保健当局が素早く対応しなければならない理由だ。ともかく原因が究明されるまで、ハンバーガー市場は最大の試練期を迎えることになった。
  • 毎日経済 シム・ユニ 論説委員 | (C) mk.co.kr | 入力 2017-07-15 07:33:36