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[筆洞情談] ブラインド採用

    文在寅(ムン・ジェイン)政府の長官人事がほとんど終わった。「女性長官30%」公約は守り、「5大非理排除」公約は履行することはできなかった。

    文在寅大統領は長官候補者の名簿を見るたび、女性であるか男性であるかを注意深く調べたはずだ。そのように几帳面に問いただしたため、公約を守ることができたのだろう。アン・ギョンファン、チョ・デヨプ長官候補者は途中で落馬した。5大非理排除原則を修正したにもかかわらず、人事の失敗事例が生じた理由は簡単だ。情報が隠されていたためだ。アン・ギョンファン候補者が若いころ不法に婚姻申告をした事実が後になって明らかになったのも、まさにこのような事例だ。ある人が生きてきた経歴・背景を知らないままその人を評価しようとすると、物事は思わぬ方向に進むものだ。

    2か月以上長官を選ぶためにあれこれ問い詰めた文在寅政府が、公共機関に対して出身大学・単位・性別・身体条件を見てはならないという採用指針を通達した。いわゆるブラインド採用だ。準備期間もない。すべての公共機関で7月からすぐに施行しろという。採用する人でさえ、何をどのように評価すればいいのか右往左往だ。不採用の人はこのような状況が納得できるのだろうか。自分がなぜ落ちたのか、何を補完すれば次に合格することができるか、いま放棄するとなると他の場所を狙わなければならないのかなど、だんだんと理解が困難になる仕組みだ。

    高位職であれ下位職であれ、経歴職員であれ新入社員であれ、公共部門であれ民間部門であれ、適切な人材を採用しようとするならば志願者についてより多く知る必要があるのが普通だ。ところが人的事項を隠しながら採用しろというため、とんでもないことだ。学歴万能主義を克服しようとする趣旨が正しいといって、その混乱や副作用が正当化されるわけではない。きちんと石橋を叩く姿勢で接近してもいいのだが、政府はいっそう欲を出している。

    「ブラインド採用拡散推進団」を構成し、民間部門も急き立てようとしている。わずか数か月前までは成果年俸制の施行をめぐり、政府と公共部門は大騒ぎだった。

    今の政権が変わると、成果年俸制は知らんぷりをしてブラインド採用を押し付ける。「韓国の政治は四流、政府・公務員は三流、企業は二流」という言葉を思い出す。人材採用・育成だけは少なくとも三流と四流が企業を急き立てないでほしい。すでに企業は彼らの存亡をかけ、より有能でより創造的な人材を探すために汗をダラダラ流している。
  • 毎日経済 チェ・キョンシン 論説委員 | (C) mk.co.kr | 入力 2017-07-30 09:00:00