記事一覧

ニュース

数字経済

テクノロジー

コラム

ビューティー

カルチャー

エンタメ

旅行

韓国Q&A

新造語辞典

もっと! コリア (Motto! KOREA)
コラム > オピニオン

[筆洞情談] 女性長官の「比率」計算法

    落馬したチョ・デヨプ候補者に代わるキム・ヨンジュ雇用労働部長官候補者の指名ニュースは、女性長官の比率30%達成という別のメッセージに覆われた。青瓦台側の説明を見るとこうだ。国家報勲処を含め、長官級18人のうち女性が6人のために33.3%だということだ。まだ発表していない中小ベンチャー企業部の長官を合わせ、19人に増やしても31.6%だ。文在寅(ムン・ジェイン)大統領の大統領選挙公約には1期内閣で女性長官30%を達成するということだったが、最初の組閣から成し遂げたという論理だ。

    女性長官30%という数字が出てくるための計算をしてみる。分子は6人だが、分母にどのような基準を入れるかによって結果が変わってくる。内閣という中途半端な表現の中に国家報勲処長官を含めると、30%を超える。しかし国務委員という明確な概念に分母を変えれば、27.8%まで低下する。

    私たちの憲法は内閣という用語を使わず、国務会議という概念を明記している。政府の権限に属する重要政策を審議する憲法上の機関として、大統領ならびに国務総理と15人以上30人以下の国務委員で構成するとされている。米国式大統領制の閣僚会議と、議員内閣制の内閣会議の両要素を混合した制度と言える。

    憲法と国務会議の運営規定などを見ると、国務委員は変更された政府組織の基準から、大統領と国務総理に加えて18ヶ部の長官のみに該当する。国報勲処長、公正取引委員長、金融委員長などは国務会議の規定第8条1項によって同席することは可能だが、国務委員の資格を持つことはできない。大統領秘書室長、国家安全保障室長、国務調整室長、法制処長など、大統領補佐機関の首長らが同席するのと同じ根拠だ。

    新たに改編された政府組織は18部5処17庁6委員会に加え、大統領直属の2院(国家情報院と監査院)、2室(大統領秘書室と国家安保室)、および国務総理直属の2室(国務調整室と国務総理秘書室)を合わせて52ヶ部処に達する。国家報勲処長を女性長官の分子に含ませるために使った「閣僚級」という基準を当てるならば、分母でも国務委員18人のほかに院・室・処・庁・委員会の中で「閣僚級」を13人さらに増やさなければならない。このような基準では女性大臣の割合は31人のうち6人であることから19.3%と、さらに低くなる。

    女性長官30%の達成というのは絶妙な数字遊びで、新政府が掲げる象徴操作になった。しかし入念に計算してみようと国務委員・長官級の数字を数えたところ、あまりにも肥大化した中央政府の組閣をあらためて確認することになって、ただただほろ苦い思いだ。
  • 毎日経済 ユン・ギョンホ 論説委員 | (C) mk.co.kr | 入力 2017-08-05 09:00:00