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[コロナ] リストバンドを着用すべきか

  • 「新型コロナウイルスは人権を無視してもいい白紙小切手ではない」
    国際連合人権委員会の峻厳な警告だ。

    現在、世界が直面した危機が終わった後も、新型コロナウイルスを伝家の宝刀のように抑圧政治の道具として活用しようとする動きに対する警告だ。

    新型コロナウイルスと人権、韓国でもこれに対する議論が起きている。
    自宅隔離者の無断離脱を防ぐため、リストバンドを着けるべきかに対する議論だ。

    ある意味では本当に残念であり無駄な論争だ。
    新型コロナウイルスでみんなが苦労している今、もう少し生活を節制すれば、こんな論争の種は生まれなかっただろう。

    しかし、論争が起きるほど守則を違反し街を闊歩する人が多いのが現実だ。

    慶尚南道(キョンサンナムド)昌原市(チャンウォンシ)が桜の名所を完全に遮断し、済州(チェジュ)では観光客が集まる菜の花畑を掘り返して新型コロナウイルスと距離を置くという意志を見せた。

    これとは違って、2週間家に留まっていなければならない人々が、こそこそと靴を取り出して履くのが現実だ。

    京畿道(キョンギド)富川市(プチョンシ)では自宅隔離期間中に11回も家の外に出た53歳の男性が告発された。家に閉じ込められているのが嫌だった彼が、もしかしたら鉄窓の中に閉じ込められてしまうかもしれない。

    ミャンマーから入国し、全羅北道(チョンラプクト)完州(ワンジュ)の自宅で隔離されていた50代の男性は、携帯電話の「自宅隔離者安全保護アプリ」に健康状態をチェックしておく小細工をして近くの釣り場へ遊びに行き、 警察に捕まった。地域の保健当局は、この男の家の前に警察のパトロールカーの配置を要請し、24時間監視態勢に入っている。

    忠清北道(チュンチョンプクト)清州市(チョンジュシ)では、フィリピンから入国した20代の女性が母親が経営する食堂に立ち入り、自慢げにSNSに投稿したことが摘発された。
    慶尚南道(キョンサンナムド)山清(サンチョン)では欧州から急きょ帰国した20代の男性が、友人7人と酒を飲みながら遊んだため捕まった。

    バカでもないだろうに、自宅隔離違反がすごいことのように自慢をして捕まったのだ。

    自宅隔離違反者に対する処罰のレベルを懲役1年、1000万ウォン以下の罰金刑に強化し、拘束捜査を原則にするという検察の脅しも出てきたが、離脱者の足は依然と街頭に向かっている。

    多くの人々が家の中で静かに過ごしているのに、数少ない違反者が迷惑をかけているわけだ。

    違反者が続出しているため、リストバンドの話も出てきた。今後、さらに数万人が隔離対象者に加わるかもしれない状況で、警察や保健当局の監視能力にも限界があるはずだから、最初から切り離せないバンドを作ろうという発想までするようになったのだ。

    韓国の国民の大半はリストバンドを着けようという方に傾いているようだ。
    文化体育観光部が韓国リサーチ会社に依頼し、全国16地域の満19歳以上の1000人を対象に行ったアンケート調査で、82.9%が賛成側に手を挙げた。

    感染拡散防止の方が重要なので、違反者に対するやむなき措置だと認める雰囲気だ。

    国民は強く支持しているが、人権侵害の余地が大きいだけに行政当局もまだ慎重になっているようだ。

    リストバンドが登場する前に、これ以上、自宅隔離違反事例が出ないことを願うだけだ。自由になりたいという欲望、ちょっとした逸脱が他人の行動を拘束する口実になってはいけない。
  • Lim, Chul | 入力 2020-04-10 00:00:00