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新造語辞典

もっと! コリア (Motto! KOREA)
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  • タイトル
    イングォン:잉권
  • 解説
    ハングル:잉권

    ハングル発音:イングォン

    意味:仕事や家事などの生産的ではないことを出来る権利

    解説:一日中、何もせずにのんびりできる、つまり余剰(잉여、インヨ)できる権利(권리、クォンリ)。

    余剰人間が、社会でちゃんとした待遇を受けることができない、有り余った周辺人という意味である場合、イングォンは誰も望まない。

    権利の放棄覚書を書けと要求するなら、すぐに書いてしまいたい権利だ。

    しかし、決まったスケジュールに基づいて、リスが回り車を走るように暮らす会社員にとっては、瞬間的にでも余剰を手に入れる権利が重要だ。退屈な日常から抜け出し、無為になる権利は、人生にゆとりを作る。

    このような権利は、物質を放棄した托鉢僧侶や、乞食、または溢れるほどのお金を持つ富豪だけが享受することができる。非正規労働者や失業者を余剰人間と呼ぶこともあるが、正しくイングォンを享受するためには富の両極端に立たなければならない。

    最近では、人権について国家政策を嘲笑する意味で人権=イングォンだと表現する文も登場する。

    2012年、雑誌にエチオピア難民の話が載ったことがある。エチオピア少数民族出身者が政府軍を殺害したという濡れ衣を着せられ、生命の脅威を感じて故国を脱出し、ようやく仁川空港に到着したが、難民審査も受けられないまま、入国許可を受けていない人を集めた控室に引き継がれた。

    以来、70日間チキンバーガーで3食の食事をした後、エチオピアに戻る途中、タイで7か月間外国人保護所に閉じ込められた。彼はタイの難民団体の助けを借りて、紆余曲折の末、ニュージーランドに無事に安着したという。

    スティーブン・スピルバーグ監督の映画『ターミナル』の状況が現実で再現されたこの事件は、人権とイングォンを同一視した非常に模範的な事例だ。そういえば、空港のターミナルでエチオピアの難民は、溢れんばかりの余裕を楽しんだかもしれない。