ハングル：먹방

ハングル発音：モクバン（モクパン、モッパン）

意味：食事をするテレビ番組や動画

解説：モクパン（食べる放送）でお金を稼ぐ人が出始めたのは5年前。一説では俳優のハ・ジョンウが、出演する映画ごとにおいしく食べる場面が話題になり、インターネット上で食べる姿を生中継するBJ（インターネット放送の出演者）が現れ始めたという。

モクパンの視聴者が10万人を越えるほどに人気を集めると、テレビのバラエティ番組でも出演陣が食べる姿を撮影し、今ではモクパンが欠かせない素材となった。芸能人が食べる姿を撮影した写真までモクパンと呼ばれる。

モクパンのメッカであるインターネット放送の「アフリカTV」のモクパンBJは3千人を越える。それほど多くはないが10人ほどのBJは食べる姿だけでかなりのお金を稼いでいる。モクパン界のディーバと呼ばれるパク・ソヨンさんは、カメラの前で食べるだけで一月に900万ウォン以上を稼ぐ。食べる姿に魅せられたネットユーザーから送られる100ウォンの星風船アイテムを集め、年俸で1億ウォン以上を稼ぎ出しているということだ。

170センチの身長に体重が53キロの彼女は、一食で牛肉2.5キロを平らげる。カメラの前で30万ウォン分の食べ物を食べたこともある。

パク・ソヨンさんは米国タイムズ紙に紹介され、イギリスの日刊デイリー・メール、アメリカのCNNも彼女の食べる姿を掲載した。しかし、実際にモクパンで大きな収益をあげている人はまた別にいる。

芸能界でモクパンで話題になったスターは、食べる姿のためにキャスティングされ、広告モデルとして活動する。体の大きいギャグマンたちが代表的だ。人気芸能人の息子や娘も食べる姿がかわいいと、巨額のギャラをもらって広告モデルに抜擢された。

モクパンの人気の秘訣として挙げられる一番目の理由は、韓国社会で孤独な1人世帯が増加したという点にある。モクパンBJのほとんどが男性にもかかわらず、視聴者も男性が圧倒的だという事実がこれを裏付けている。これをもって韓国のある言論媒体は、「SNSに依存して暮らし、モクパンを見ながら食べ、勉強部屋を見ながら勉強する各自の部屋に閉じ込められた人たち」だと評価されたりもした。

モクパンのポイントは「もっとたくさん、もっと早く、もっとおいしく」「え、それを全部食べるなんて、それをまさか一口で？ほんとにおいしそうに食べるな」という視聴者の反応を引き出すところにある。モクパンの評価要素はいろいろあるが、重要なのはどれだけ唾液腺を刺激させるかだ。