Q.韓国で灌仏会(釈迦誕生日)とクリスマスが両方とも公休日となった経緯を教えてください。

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A.
キリスト教と仏教の祝日を公休日に定めた国が、世界にあまり存在しないことは事実です。東アジアでは韓国が唯一なようですね。

アジアにはキリスト教の影響を強く受けた国があまり多くないため、クリスマスを公休日にしている国は、韓国、フィリピン、香港、シンガポール、インドネシア程度です。指で数えられるほど少ないわけです。

考えてみれば、米国や欧州でも、他の宗教や無神論者の意見を反映して、クリスマスという名称の代わりに、「Holiday Season」という名称を使用しています。韓国のクリスマスがアメリカやヨーロッパよりもはるかに騒がしいという印象を避けることはできません。ただ、クリスマスを公休日として指定していない中国や日本などの他の国もこの日には浮かれて、若者が群れをなして動き回るのは同じようなため、ただただ遊ぶのにちょうどいい日、くらいの気持ちで過ごしてもいいでしょう。

厳密に言うと韓国よりもっとすごい国があったりもします。シンガポールとインドネシアの場合には、キリスト教と仏教だけでなく、ヒンズー教、イスラム教の祝日も公休日としているので、一日でも多く休みたい会社員には夢のような話ですよね。

韓国でクリスマスが公休日になったのは、かれこれ60年以上も前のことです。1949年、キリスト教の信者だった李承晩(リ・スンマン)大統領がこの日を公休日に指定したのです。それ以前には、韓国を統治していた米軍政当局がクリスマスを各種役所の休日にしていました。見方を変えれば、大統領個人の宗教が公休日の指定に決定的な役割を果たしたことになったとも考えられますね。

初めて公休日に指定された時の公式名称は「基督誕辰日」でしたが、いくつかの名称が混用された後、今では「聖誕節」で固定されました。

1982年1月に夜間外出禁止令が解除されるまで、クリスマスはそれこそ国民の祭日だったんですよ。夜間の通行禁止が解除されて、一晩中自由を満喫することができたからです。特別な約束がなくても、恋人がいなくても、お財布の事情があまり良くない苦学生たちも、体がそわそわして到底部屋の中に座っていることが難しかったものです。

江南開発前のソウルの代表的な繁華街密集地域である明洞の通りは、そのように夜を過ごす若者たちであふれました。

聖人が生まれた日に、静かに家族と黙想を楽しむことが当然の道理かもしれませんが、それを投げ捨てて、お祭り騒ぎに突き進むことになった背景がここにあります。夜間外出禁止令とは関係のない現在でも、このような雰囲気は相変わらずです。2010年の統計を見ると、クリスマスシーズンにコンドームなどのアダルトグッズの販売が普段より50%増えており、大学街のモーテルは予約が殺到して利用料金が通常よりも2倍高くなるそうです。

巷で「てんびん座」の新生児が増える主犯をクリスマスとして挙げるほど、聖なる日が性的な日に変質してしまったわけです。

とにかく、クリスマスを前後してカトリック大聖堂とプロテスタント系の教会が先を争って宣教活動に乗り出すなど、教勢拡張に熱をあげたため、仏教徒の立場からは座視することが難しかったことでしょう。1970年代初頭・半ばには、仏教信者の数がカトリックとプロテスタントを合わせたものとほぼ同じとなり、クリスチャンの祝日を公休日にするのは話にならないと反発しました。

行政当局にクリスマスを公休日にすることは憲法違反だとし、釈迦や孔子の誕生日も公休日にするか、クリスマスの公休日指定を廃止するように声を高めました。行政訴訟を起こして敗訴はしましたが、選挙シーズンが近づくと権力者の心も焦ります。クリスマスのせいで仏教信者の票を失うことはできないからです。

だからといって1年にわずか一度の夜間外出禁止令解除日をなくしてしまっては民心が揺れるのも目に見えています。このような悩みの末、最終的に釈迦誕辰日(灌仏会、花まつり)も祝日に指定することになったのです。

「なぜ特定の宗教に関連する日を公休日とするのか」という議論がなかったわけではありませんが、休日が増えることに不満を持つ人は仕事中毒に陥った社長のほかにあまりないため、それほど苦労せずとも公休日のリストに名前をあげることになりました。

韓国でのお釈迦様の誕生日は旧暦の4月8日です。東南アジア諸国が旧暦の4月15日に祝日を定めていることとは差がありますね。お寺の近くの道端には提灯がつけられ、ソウルの曹渓寺には与野党の政治家が出入りしますが、クリスマスに比べると非常に静かに過ごすほうです。

しかしながら、1年の中で最も天気が良い季節であり、せっかくの休日でもありますから(今年も連休ですね)山や野に行楽客があふれます。面白いことに、コンドーム販売量がクリスマスの次に多い日でもあります。
  • Lim, Chul / 写真=MBN
  • 入力 2015-05-22 09:00:00

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