A. | (ひょっとしてtvNドラマの『鬼』を見たことがありますか? 鬼(トケビ)の話を読んだ後にドラマを見たら、楽しみが倍増するはずです。実は韓国のトケビ(도깨비)と日本の鬼には様々な違いがあり、トケビをそのまま鬼に置き換えることはできませんが、すでにドラマで「鬼」と訳され親しまれているため、ここではトケビを鬼に訳してご紹介します。) 最近、tvNドラマ『寂しくて、輝かしい神 - 鬼(以下、鬼)』で鬼役を演じているコン・ユ(本名:孔地哲 /コン・ジチョル)は、本当にかっこいいでしょう。男性が見ても魅力があります。 だとすると、鬼は本当にかっこいいのでしょうか。 誰にも分りません。実際に見た人は誰もいないはずですから。多分見ても忘れてしまったのかもしれません。鬼ですから。
そのため正体を知るのが難しいのです。だから、気配もなくこっそりと現れては消える友人に「鬼みたいだ」とからかったりもしますし、プロスポーツ球団の中で成績が安定しないチームに「鬼球団」というニックネームをつけたりもします。 鬼の外見は時代に応じて異なって表現されますが、遠い昔には獣のような外見をした巨漢の姿で話に登場しました。全身毛に覆われていました。顎と顔の周りに生えたもみあげが非常に長いのですが、上記の写真からも見て取ることができます。 鬼面瓦の巨人鬼は見方を変えれば、龍のように見えたりもします。学者たちは、東アジアの龍の崇拝思想が韓半島に伝わった後、鬼にかぶせられたものだと解釈します。 そうするうちに後代に降りてきながら、鬼は人の姿に変わります。もちろん、普通の人とは違います。お化けであるため術数を駆使するのは当然で、漂う雰囲気も普通の人とは異なります。さらに、いたずらはどれほど好きでしょうか。 韓国に伝わる代表的な鬼の話を1つ紹介しましょう。 *** 青年が夜に峠道を越えようとしたところ、壯丁の姿をした鬼が現れ、争わなければ通ることができないと言った。これに青年は一緒に相撲をしたが、まったく勝てなかった。青年は計略を謀り、「あっ、夜が明ける!」と言い、鬼がこれにドキッとすると、すばやく倒した。青年は、鬼が意識を取り戻すまでに近くにある木にロープで縛り付けた後、すぐに峠道を通り過ぎた。次の日に日が昇ると、青年はとても気になり、鬼と会った木の下に行った。しかし、木には血が付いたほうきが縛られているだけだった。 *** 青年はどうして壯丁が鬼だと思ったのでしょうか。 それに、神通力がある鬼が青年の計略に騙されるでしょうか。実際に計略と言ったところで、「昇りもしていない日が昇った」と突拍子もないことを言っただけなんですよ。しかも、鬼が青年にロープで縛りつけられるなんて。神的な存在の体面を保てていません。 この話は鬼がいたずらが好きで、人を苦しめる手に負えないマネをしますが、決して有害な存在ではないことを教えてくれています。 そしてもう1つ、青年は鬼をただ壯丁とだけ表現しています。かっこよかったり、凶悪な顔つきだったなどの何の特徴も説明せずにいますよね。 なぜそうなのかと言うと、鬼に会った後にはいくら記憶しようとしても顔立ちが思い浮かばないからです。 明らかにかっこいいイケメンのような気がするのに、時間が少しでも経てば外見を忘れてしまうのです。明らかに鬼に惑わされたせいです。 tvNドラマ『鬼』で鬼役を演じたコン・ユは、妙に男性と少年の雰囲気が共存する俳優です。このような面から鬼役にふさわしいと見ることができるのでしょう。もちろん、鬼とは異なり、コン・ユの顔はテレビの電源を切った後にも記憶に残っています。 この質問については、次回に続けることにしましょう。 |