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堂々と叫ぶ「キム・ジョンイル万歳!」話題のバンド、バムサム海賊団

    今、誰かがあなたの隣で「キム・ジョンイル万歳!万歳!万々歳!」と叫んだら、彼を国家保安法で処罰すべきだろうか。

    世の中が大きく変わったが、さすがに「キム・ジョンイル万歳!」だなんて。突拍子もない話のようだが公然と「キム・ジョンイル万歳」を叫ぶ人々が実際に存在する。

    そして、彼らは実際に国家保安法違反の容疑で法廷に立ち、最高裁で無罪判決を受けた。

    でも無罪だなんて。何がどうなったのか混乱する人はおそらくかの「キム・ジョンイル」だけを知っている人だろう。

    世の中には無数のキム・ジョンイルがいるということに気づかなかった人たち。

    だから、彼らの叫びは今でも怪しくて不穏な表現として誤解されるしかない。

    だとしたら彼らは誰なのか。先に述べた「公の公演の場」で「キム・ジョンイル万歳」を叫んだ人々は「バムサム海賊団」というバンドのメンバーだ。

    彼らが歌で叫んだキム・ジョンイルは「元老作曲家のキム・ジョンイル」と「独立運動家のキム・ジョンイル」だ。

    誤解と偏見はそうしてはじまり、神聖な国家権力も例外ではない。

    しかし、芸術をする人々に対する偏見とは別に「キム・ジョンイル万歳」や「ソウル火の海」「共産党が好き」のような歌を純粋な視線で見つめることのできる人が果たして何人になるだろうか。

    そのような問題的な素材でイシューにアプローチするバムサム海賊団は、芸術に対して突きつける厳しい基準と冷たい偏見を捨てなければならないと主張する。

    彼らが歌に込める「北韓(北朝鮮)」とは、ただただこの地に広まった権威主義と貪欲を嘲笑するための手段であるだけで、決して不純分子や扇動、アカではないというようにだ。

    バムサム海賊団の露骨ながらも堂々とした挑発は今、韓国文化界の熱いイシューだ。

    歌と演奏でひとしきり「大暴れ」をした彼らを素材にしたドキュメンタリー映画が作られて世の中に公開されたからだ。

    『バムサム海賊団ソウル火の海』というタイトルのこの映画は、同様に極端でタフだが海外では大きな好評を得ている作品だ。

    『タクシー運転手』が観客1000万人を突破する頃に開かれた試写会で、映画『阿修羅』のキム・ソンス監督は「激しい。ひりひりする。とにかく笑える」とし、『君よ、その川を渡らないで』のチン・モヨン監督は「あなたの固定観念を殴り飛ばす」と絶賛した。

    メンバー間の音楽的な見解の違いで現在は解体状態だという「バムサム海賊団」の決起に満ちた「混沌と無秩序」を少しでも体験してみたいなら『バムサム海賊団ソウル火の海』を見るしかない。

    極端に別れるであろう「好き嫌い」は保証することはできないが。
  • 毎日経済 Citylife 第594号 | (C) mk.co.kr | 入力 2017-09-03 09:00:00