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[コラム] だんだんと興味深くなる韓国の大統領選挙


韓国の大統領選挙までの道のりが、だんだんと興味深くなっている。

競争相手がいないように見えた文在寅(ムン・ジェイン)共に民主党候補が足踏み状態となったなかで、国民の党の安哲秀(アン・チョルス)候補の追撃が恐ろしい。

最新の世論調査では、両候補間の支持率が誤差範囲内に狭まったことを示している。韓国ギャラップが今月4~6日に実施した調査では、文在寅候補が38%で安哲秀候補(35%)を僅差でリードしていると現れた。好感度は安哲秀候補が58%と、文在寅候補(48%)をはるかに上回っている。

好感が持てない候補のなかでも安哲秀候補は35%と、文在寅候補(46%)を大幅に引き離して、最も低い候補だと集計された。

この世論調査は、大統領選挙レースにおいて誰が1等でゴールテープを切る候補になるのか、予想できなくさせる。それだけほとんど差が無いということだ。もはや韓国の次期大統領選挙で「文在寅大勢論」は通用しなくなったのだ。

この世論調査で「好感が持てる候補」として77%の票を集中させ、圧倒的な1位となった洪準杓(ホン・ジュンピョ)慶南知事は、自分のフェイスブックに妙な文章を投稿したりもした。世論調査の信憑性が疑わしいという内容だ。

世論調査をめぐっては、信じられると考える人に劣らず、懐疑的な見方も持つ人も多い。最近の米国大統領選挙で大勢として評価されていたヒラリーを抜いてトランプが当選した例が持ち出されたりもする。

国民の党の朴智元(パク・チウォン)代表は「大勢論で勝った候補者は一人もいない」とし「昨年、米国の大統領選挙でヒラリー大勢論が開票予測の時まで吹いたが、結果はトランプの勝利だった」と声を高めた。

もちろん、米国大統領選挙の例を韓国政界にそのまま置き換えることはできない。ヒラリーは選挙人団の数では敗れたものの、得票数ではトランプに勝ったからだ。

世論調査を覆して劇的に大統領選挙で当選した政治家にトルーマン(Harry Truman)がいる。彼は世論調査や報道はもちろん、党内でも劣勢という評価を受けた。

選挙を3週間後に控えて、時事週刊誌『ニューズウィーク』がワシントンの政治部記者50人を対象に「誰が勝つか」と聞いたところ、トルーマンの勝利を予想した記者は、ただの1人もいなかった。50人全員が共和党の有力候補トーマス・デューイが勝利すると予想した。選挙前日にニューヨークタイムズ紙はデューイが圧勝すると報道したし、トルーマン攻撃の先頭に立っていたシカゴ・トリビューンは、選挙の次の日の朝刊に「デューイがトルーマンに勝った」という記事を掲載して恥をかいたりもした。

トルーマンは選挙で勝った後、「モーセがエジプトで世論調査をしたなら、ユダヤ人をカナンの地へ連れて行くことができただろうか」という言葉を残した。

世論は刻々と動いている。絶対に信頼できる候補がいない場合は波動はさらに激しくなるだろう。この激しい波動が大統領選挙後まで続かないことを願うばかりだ。
  • O2CNI_Lim, Chul
  • 入力 2017-04-09 08:56:00




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