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[コラム] ラマダンとホームレス


いつも同じ場所で物乞いしていたホームレスがいた。そうすると、ホームレスに差し出した金を置いていく人も似ていた。
「あいつ、まだ物乞いしているのね」
と言いながら、習慣的に財布を取り出す。
その中でも、人心が豊かな紳士が1人いたのだが、ある日、ホームレスが金を置いていく紳士を呼んで立ち止まらせた。
「先生、あの」
「どうしましたか?何かいいたいことがありますか?」
「先生は人情深い方です。福を受けると思います。ところがですね。一昨年まではいつも1万ウォンを与えてくださったじゃないですか。ところが、昨年からは5000ウォンをくださり、今年は1000ウォンですね。暮らし向きが悪くなったのかなと思いまして」
「そうではなく、昨年に結婚をして余裕がなくなり、今は子どもまで生まれて寄付金を減らしたのです」
紳士の言葉が終わると、ホームレスはちょっと呆れた表情で一言加える。
「だから、つまり私のお金で先生の家族を扶養するということですね」

あと何日か経つと、イスラムの禁欲期間であるラマダンが始まる。ラマダン期間には、貧しい隣人に食糧を買ってあげる風習があるため、ドバイに物乞い旅行に発とうとする人々がかなりいるようだと言う。先日、ドバイ現地で警察に逮捕されたホームレスが、月に8400万ウォンを稼ぐというニュースが出た後、中東に行ってホームレス職をするか?と一度程度考えてみた人が少なくないという。

  • [コラム] ラマダンとホームレス
  • < ドバイのホームレス >

路上でうずくまって座っている時間も1日6時間程度で、ソウルで大学を卒業した人は1日8時間をまるまる働いても月に400万ウォンを稼ぐのも難しいのに、1日6時間働いて(?)8000万ウォンだと、「ドバイに行こう!」という言葉が出てくるに決まっているでしょう。

ドバイ警察がホームレスを捕まえてみると、5つ星ホテルで生活する外国人もいたという。韓国に「犬のように稼いで大臣のように使う(汚く稼いできれいに使う)」ということわざがあるが、ドバイのホームレスを指して言うみたいだ。

ドバイ警察は、ラマダン期間に外国のホームレスが集まってくることに備えて、厳重に取り締まりする予定だという。頭が少し利くホームレスはドバイ以外に適切な中東の都市を訪れるだろう。あえて中東でなくても、ニューヨークや、パリ、ロンドンなどのヨーロッパの寺院前に職場を用意する方法もあるはずだ。

立地のいい所には、すでにホームレスが陣取っているかもしれません。

金をよく稼ぐホームレスの話は、コナン・ドイル(Conan Doyle)の「シャーロック・ホームズの冒険」にも出てくる。行方不明の夫を探してほしいという頼みに、探してみるとホームレスとして収入を上げた男というあらましだ。そういうののを見ると、ホームレスもホームレス次第なようだ。

ホームレスをあざ笑って見ているとひどい目に遭う。

ある男性が仕事が上手くいかないか、居酒屋に入って続けざまに酒を飲み、1人で大声で騒いだ。
「ああ、このくそ世の中、すべての政治のせいだ。政治家はみんなホームレスのようなやつらだ」
すると隣に座っておとなしく酒を飲んでいた男性が抗議した。
「もうそれくらいにして、その言葉を取り消してください」
やや低い声で言う言葉に恐怖を恐れた。
「ひょっとして、あなたは政治家ですか?」
男性はニヤリと笑って
「とんでもないです。私は、ホームレスです」
  • O2CNI_Lim, Chul
  • 入力 2016-05-29 08:00:00




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