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[コラム] アルファ碁との対局後に無敵になったイ・セドル


人工知能アルファ碁との世紀の対決で完敗したイ・セドルは最近、調子がいい。囲碁でも連戦連勝を続けているうえに、広告モデルとしても抜擢されました。

イ・セドルをモデルにした製品は、ビタミン高含有の健康食品ですが、この製品を開発した柳韓洋行が掲げた宣伝文句は「集中力が実力だ」です。囲碁の話が出たので、棋譜をひとつお見せしましょう。

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▲の印がある碁石が見えますか。4年ごとに開かれる囲碁オリンピックと呼ば​​れる応氏杯の準々決勝で、カン・ドンユンとの対局で黒を取ったイ・セドルが打った手です。興味深い事実は、この手は、イ・セドルと対戦したアルファ碁が打った手だということです。当時、対局を見守っていたプロ棋士は「あんなところに打つなんて」と困惑しました。囲碁を学ぶ学生があんなところに打ったら、師範に怒られたことでしょう。ありえないような手だということです。そのような手を平然と(?)打ったアルファ碁に負けた後、悟りを得たのか、イ・セドルが借用しました。

人間の囲碁から学習したアルファ碁が、人間が打つのを避けてきた手を打ち、機械が打った手を研究した人間が、これを対局で使って見たところ、結果が出たかたちです。

イ・セドルは、アルファ碁との対局で何を学んだのでしょうか。筆者の考えでは、「初心」の2文字を学んだようです。囲碁を初めて学ぶ当時の好奇心を取り戻したように見えたりもします。

どれひとつとして無視するなということです。特に専門家は、自分が経験したことや体面などに絡んで、基本を無視することが多くなります。これは、囲碁だけのことではありません。政治、経済、社会、文化などの世界は言うまでもないなく、家庭でも親たちは権威でもって子どもたちの単純な想像力を踏みつけたりします。

アルファ碁がイ・セドルにプレゼントした初心には、あり得ないと忘れてしまわれていた手、今では自分自身に問うことのない「なぜ、この手を打ったらだめなのか」という質問が込められています。初心には、無限の宇宙が入る想像力が隠れています。プロの棋士も驚かせたアルファ碁の創造的な一点着手に数多くの棋譜を研究した汗(?)と努力があるという事実も忘れてはならないでしょう。
  • O2CNI_Lim, Chul
  • 入力 2016-05-05 08:00:00




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