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[社説] AIIBに加入した韓国が主導的にするべきこと


韓国がついにアジアインフラ投資銀行(AIIB)への参加を発表した。中国主導で設立される最初の国際金融機関に参加するかどうかについて長い間悩んだ末に、国益のために下した決断だ。韓国が国際金融機関の創立加盟国として、また、主要株主として参加することができようになったのは今回が初めてだ。それだけ期待も大きく、やるべきことも多い。

韓国は何よりもAIIB内で確固たる地位を持つことができるように、緻密な交渉力を発揮しなければならない。長考の末、終盤に参加を決定したものの、既存の予定創立会員国の同意を得て創設メンバーになるには問題がない。重要なことは、資本金500億ドルで出発して、すぐに1000億ドルへと拡大するこの銀行で、韓国が持分をどれほど確保できるかだ。

株式配分の原則は、アジア諸国が4分の3、他の国が4分の1を分けて持つが、国内総生産の規模に応じて、差等配分するようことになっている。最小36か国が参加するAIIBで、韓国は5%前後の持分を保有して、中国、インドに続きアジア3大株主の座を確保しなければならない。20~30%の持分を保有して筆頭株主になる中国が専横することがないよう、牽制と均衡の妙を生かす支配構造を作らなければならない。

また、AIIBがグローバルスタンダードに合わせて模範的な金融協力体に発展することができるように、最初から組織と運営の原則を適切に組み込むよう、積極的な役割をしなければならない。この機構が標榜する開放性と包容性、透明性の原則が空虚な修辞にとどまらないようにすることが重要だ。

韓国はすでに、事務局より理事会で投資決定が行われなければならないという原則を強調し、中国も同意している。環境と労働をはじめとする様々な分野で安全装置(セーフガード)となる基準を確立しなければならない。

最も重要な問題は、どのようにすれば、この機構を韓国の国益に合わせて最大限に活用できるかだ。アジアでは、一年で7300億ドルに達する巨大なインフラ市場が開かれているが、既存の国際機構の金融支援は非常に不足している。韓国は、道路、港湾、通信、エネルギー分野はもちろん、スマートシティの輸出をはじめ、アップグレードされたインフラ建設に強みを持っているが、長期資本の調達においては、日本や中国に押されている。AIIBをその弱点を補う手段として活用しなければならない。

韓国にとって、AIIBの戦略的価値は、単に一つの地域開発銀行として経済的実利を追求するための手段にとどまらない。北東アジアの地政学的脅威を管理して、北朝鮮を開放されたグローバルな経済体制に引き出すための媒介として活用することができる。中国が陸上と海上で、西南アジア、中央アジア、中東を連結し、過去のシルクロードの栄光を再現しようとする一帯一路の戦略を展開し、アジア回帰戦略を追求する米国がこれを牽制する中で、適切なバランスを維持し、国益を極大化しなければならない韓国としては、AIIBをより効果的に活用しなければならない。これを通じて、米国一辺倒から、中国をはじめとする新興国へ多様化されている新しい国際金融秩序に能動的に対処しなければならない。
  • 毎日経済 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2015-03-28 00:02:02




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