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[I ♥ 建築] 恋愛と建築のあいだ


  • [I ♥ 建築] 恋愛と建築のあいだ
最近、KBS2ドラマ『プロデューサー』で、女性主人公の弟が「姉さんは隙がないから恋愛ができない」ととがめるシーンがあった。弟が言う隙とは、他ならぬ「サム男」からメッセージが届いたときに、男性に返事を待たせるために時間を伸ばすことをいう。返事がなければ、男性が「この女性は、今何をしているのか」など、いろいろ考えるようになるということだ。しかし、時間の隙を与えず、すぐに返事をすることになったら、考える時間を与えないという話だ。この「恋愛の駆け引き第1法則」は建築にも適用される。

弟が話している時間的な「隙」は、建築では空間的な「空けること」だ。私たちは、すべての空間を使用しようとして、空けようとはしない。私たちは空間が空いているこをを見ることができない。私たちは、アパートの天井高も最小限の高さである2.4メートルに下げた。韓屋は技術的な限界に屋根が傾斜となって梁の下の空間は、高い天井高を持つようになった。コンクリート構造技術が可能な現代社会では、このような非効率を容認していない。天井高が50センチメートルだけ高くなっても、私たちの考えはもっと余裕を持つようになるだろう。しかし、50センチメートルを上げると、20階建てのアパートでは、2つの層を失うことになる。施工会社が承諾するはずがない。

私たちは、何か漠然とした考えをするとき、空を見上げる。なぜなら、空の空いている空間が新しく考えることができるようにしてくれるからだ。研究結果によると、3.5メートル以上の天井高で創意的な考えがより出ているという。最近は教会や大聖堂に行ってこそ、ようやくそのような高い天井高を見ることができる。日本の「龍安寺」の石庭(方丈庭園)に行けば、空いた砂場に石だけがいくつか置かれている。ここには、木や花もない。しかし、この空間は、どの空間よりも深い瞑想を引き出す。

私たちの家の中で、最も大きく空いた空間はソファーとテレビの間だけだ。目が悪くならないように、やっと作った空間だが、それさえも私たちは、テレビの中の話を見ていて、人生について思惟する隙がない。今ではスマートフォンで見るせいで、2メートル程度の空間が20センチメートルに減少した。贅沢だとも言えるが、周辺に何の機能もない空いた空間を作ってみよう。それが他の人と違う生き方ができる第一歩となるだろう。
  • 毎日経済_弘益大学建築学科ユ・ヒョンジュン教授 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2015-06-04 17:44:00




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