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サムスン電子「ギアフィット2」来月発売…機能大幅強化

ヘルスケア「最後の王」サムスン「Gear Fit 2」登場 

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サムスン電子はヘルスケア・スマートバンド「ギアフィット2(Gear Fit2)」(仮称)を早ければ来月に正式発売する。 2年前に出した従来の「ギアフィット(Gear Fit)」の機能を大幅に強化した製品だ。

2014年4月、李在鎔(イ・ジェヨン)サムスン電子副会長が中国でのボアオフォーラムで、サムスン電子の新規事業として「モバイルヘルスケア」を挙げた後に商用化した最初の製品であることから早々に関心を集めている。ギアフィット2はサムスンペイなど、サムスンのソフトウェア事業をリードしているイ・インジョン無線事業部開発1室長(副社長)の作品でもある。

10日、電子業界によるとサムスン電子はギアフィット2の開発を終えて、国内外の出荷手順に突入したことが分かった。突発の変数が生じることがなければ、来月中に消費者に公開すると予想される。クルリアンなど国内のユーザーコミュニティに製品の流出写真が上がってきて共有されるなど、消費者の反応も良い方だ。

ギアフィット2は前作よりもフィットネス関連の機能を大幅に改善したことが分かった。従来のギアフィットは心拍センサー程度が搭載されて、歩数や心拍数チェックなどの基本的な機能のみが可能だった。

しかし今回の製品はGPSなどを採用して、移動経路まで知ることができる。何よりも関心を集めている部品は、まさに「バイオプロセッサ(Bio-Processor)」だ。

この部品は一つのチップで体脂肪・骨格筋量や心拍数、心電図、皮膚温度、ストレス反応(GSR)など、5つの生体情報を一度に測定することができる。心拍数と心電図を組み合わせて血圧を調べるなど、二種類以上の情報を結合して新しいデータを得ることもできる。サムスン電子半導体(DS)部門は、この部品を今年の初めから量産している。

サムスンに精通した関係者は、「サムスンは製品の詳細なスペックを全く公開していないが、ギアフィット2にバイオプロセッサを搭載する可能性が非常に高い」とし、「バイオプロセッサ商用化の初の事例になる見通しだ」と説明した。

サムスン電子がギアフィット2の開発に集中する理由は、「モバイルヘルスケア」市場がすくすくと成長しているからだ。市場調査機関ごとに規模の予測に多少の差はあるが、2017年に約30兆ウォンで2020年には70兆ウォン前後に成長すると予想される。

単なる機器の販売だけにとどまらない。ギアフィット2のようなウェアラブル機器が個人の生体信号と健康情報をチェックし、このようにして形成したビッグデータを病院や研究機関に提供して病気治療や研究に活用することができる。アップルも2014年6月「ヘルスキット」というヘルスケアのプラットフォームをローンチし、アップルウォッチなどヘルスケア・ウェアラブル機器の販売と普及に拍車をかけている。

これと関連し、イ・ジェヨン副会長は2014年のボアオフォーラムで、「医療やヘルスケア事業とITを融合すると、膨大なビジネスチャンスをつかむことができる」とし、「サムスンは現在、医療分野での新しい可能性を見出すために多くの研究開発資源を投入している」と明らかにした。サムスン電子DS部門がバイオプロセッサを開発し、IM部門が関連機器やソフトウェアを作成し、サムスン医療院が各種臨床試験などを行うなど、グループレベルでこの分野の攻略に乗り出している。

イ・インジョン副社長は、ギアフィット2と連動するサムスン電子ヘルスケアプラットフォーム(健康管理ソフトウェア)の「Sヘルス」の開発と運用を昨年末から陣頭指揮している。イ副社長はセキュリティソリューション「ノックス」、モバイル簡便決済システム「サムスンペイ」などを生み出した、サムスンのソフトウェアの監督だ。

世界のSヘルスのユーザー数は、先月末の時点で130カ国、1億5000万人を突破した。サムスン電子はSヘルスを活用して、ユーザーの慢性疾患を管理したり、医師とつなぐなどのサービスローンチを推進している。

業界関係者は、「Sヘルスユーザーが増えれば、そのサービスが含まれているスマートフォンとウェアラブル機器販売が増加し、逆の場合も同様」だとして「ハードウェアとソフトウェア、ヘルスケアとITの融合は多くの相乗効果をうみ出す」とした。
  • 毎日経済_イ・ギチャン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2016-05-10 20:17:10




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