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急速な拡大予想されるEVカー用バッテリー市場 企業の集中投資が現実化


  • 急速な拡大予想されるEVカー用バッテリー市場 企業の集中投資が現実化
  • < 電気自動車バッテリー市場の見通し >

爆発的に成長しているEVカー(電気自動車)用バッテリー市場をめぐり、サムスンSDIやLG化学、SKイノベーションなど国内企業の集中投資が現実化している。

米テスラ(Tesla)社のニューモデル発売をはじめとしてEVカーに関心が高まる状況に加え、環境規制などでEVカー用バッテリー市場は急速な拡大が予想される。特に一度契約が成立すれば相当の期間変更なしに継続される部品産業の特性上、市場が形成され始めた今こそ積極的に乗り出さなければ淘汰されるという懸念もある。

14日の各メーカーによると、サムスンSDIとLG化学は、今年に入ってヨーロッパ内に工場を設立する。 SKイノベーションは忠南・瑞山(ソサン)工場の生産能力を年間3万台から4万台に増やすための増設に着手した。サムスンSDIは今年、9746億ウォンを投資するという計画を具体的に明らかにした。サムスンSDIは現在、他のサムスングループ会社の工場があるハンガリーを有力な候補としてあげており、妥当性などを調査していると伝えられた。現在は韓国・中国に生産ラインを備えているが、顧客社が欧州の自動車メーカーである状況から、三角生産体制の構築に乗り出すわけだ。

競合社であるLG化学も、ヨーロッパ市場攻略のために工場の増設を進めている。LG側では「ポーランドをはじめとする、さまざまな地域を対象に検討中」だと明らかにした。 SKイノベーションも昨年7月、瑞山工場の生産設備を年間1万5000台から3万台の2倍に増やしたことに続き、今年3月には追加増設に入った。

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  • < 自動車バッテリー主要3社 >

現在、各社の生産規模はLG化学が純粋なEVカーを基準にして18万台レベルであり、サムスンSDIは20万台レベルだ。 SKイノベーションはバッテリー用分離膜(LiBS)で特許技術を備えているという点を強調しているが相対的に進出が遅れ、生産規模は今年の増設が終わった後でも4万台レベルで、ベンツのバッテリーに使用されているセルを供給している。 SKイノベーションは中国市場に初進出したという点を強みに掲げている。

当座は3社ともEVカー用バッテリー部門では赤字を見る状況だ。EVカー用バッテリーの分野で最もリードしているという評価を受けるLG化学は、「2016年には損益分岐点を超えるだろう」と明らかにしているが、業界は見守るべきだろうという立場だ。企業間の契約なので、これまで契約条件が明らかにされたことはない。昨年、GMから今年発売される純粋なEVカーの「ボルト(Bolt)」に搭載されるLG化学のバッテリーの価格が、kwh(キロワット時)当たり145ドルだと明らかにされたことは独特だ。当時、業界は低価格受注疑惑を提起した。

赤字を出す状況でも大規模な投資などに乗り出すのは、市場が急速に大きくなり、完成車メーカーとバッテリーメーカー間の協力構図が具体化されるからだ。協業構造がいったん形成されると、他の企業との協業が困難な「ロックイン」効果があるという点も、無理をしてでも顧客の確保に乗り出す理由だ。実際に、EVカーメーカーの中で最も認知度の高いテスラ社は、最初の量産モデルである「ロードスター」をはじめ、「モデルS」や最近発表した「モデル3」などではパナソニックのバッテリーを主に使用する。

パナソニックで生産する円筒形バッテリー(乾電池と同様の形状)に合わせた生産ラインなどにより、他の会社の製品を使うためには設計をはじめ、工場設備の変更などの手続きが必要だ。現在、LG化学とSKイノベーションはポーチ型バッテリーを生産しており、サムスンSDIは携帯電話のバッテリーのような箱型バッテリーを主に生産している。

自動車メーカーを確保するというレベルを超えて、「我軍(味方)」を得なければならない状況だ。それだけに各バッテリーメーカーの出血競争は続くしかなく、実際に金を稼ぐまでには時間がかかるものと見られる。
  • 毎日経済_チョン・ウク記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2016-04-14 19:36:48




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