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韓・米の金利逆転しても…李総裁候補「利上げ慎重」


■ 韓国銀行総裁候補に対する人事聴聞会

李柱烈(イ・ジュヨル)韓国銀行総裁候補は、基準金利の引き上げに慎重な立場を改めて強調した。米国の基準金利の決定を翌日に控えた21日、国会で開かれた人事聴聞会。米連邦公開市場委員会(FOMC)は、韓国時間で22日午前3時に利上げするかどうかを発表する予定だが、引き上げになると韓・米の政策金利が逆転することがありうる。市場では米国の金利引き上げは有力と見ている。

この日、李総裁候補者は今年上半期の金利引き上げの可能性について、「(基準金利の)引き上げ時期を申し上げるのは適切ではない」とし、「上半期に上げる可能性が高いとか低いという発言も留保する」という反応を見せた。しかし李総裁候補は「少子高齢化などにともなう潜在成長率の下落傾向を考えると、今後の政策金利は世界的な金融危機以前の水準に上がるのは難しい」とし、「当分のあいだは需要側での物価上昇圧力は大きくないと予想されることから、成長の回復が続くように金融政策の緩和基調を維持していく必要がある」と述べた。引き上げを行っても、緩和基調が維持されるレベルで慎重に決定するという意味に解釈される。李総裁候補は「今の経済状況をみると、金利の方向は引き上げに向かっていくことが合う」とし、「いまや金利も十分に緩和的であるため、一度や二度上げても緊縮ではない」と説明した。

ただし、李候補者は米国の政策金利に無条件につられて行くよりも、わが国の経済事情に合わせて政策を行っていくという意志を示した。李候補は「景気調整のための基準金利の運用幅は、過去に比べて大きく狭小になることがありうる」とし、「長い目で政策余力確保のための新しい政策手段や、政策運営システムを模索していく」と述べた。続けて米国の基準金利の引き上げに対しては、「金融政策は先制的に対応することも重要だが、不確実性を考慮すると下手に対応することは警戒しなければならない」と付け加えた。

この日の聴聞会では野党議員を中心に、総裁は政治的独立性を守ってほしいという注文が多く出された。キム・ソンシク正しい未来党議員は「パク・クネ政府で総裁になったときに、現執権勢力は当時の李総裁は崔炅煥(チェ・ギョンファン)経済副総理の顔色をうかがう韓銀総裁だったと批判した。またふたたび政権の顔色を見る総裁になると困る」と指摘した。特に総裁に再任することは青瓦台と政府の「言うことをよく聞く総裁」を選任するためだという指摘に対しては、「中央銀行の自律性・独立性を守るべきだが、一部で協力してこそ可能だ」と反駁することもあった。

この4年間の任期中に朴槿恵政府の政策の方向に合わせて基準金利を5回下げ、家計負債を大きくしたという批判だ。これに対して李候補者は、「前の政府のとき、(政権に)振り回されてしまったという評価には、私なりに異なる意見がある」とし、「2014年は物価が0%に達してデフレ懸念があり、家計負債問題もあったが、経済状況が消えて行って緩和基調に進むしかなかった」と答えた。

昨年の11兆ウォン規模の雇用追加補正予算に続き、今年の政府が青年雇用問題などの特段の対策として出した4兆ウォン補正に対しても、「雇用状況が良くない時は財政余力があるだけに、役割を(補正を)果たすことも必要だ」とし「ただし財政政策で終わらずに、構造調整などを通じて民間雇用が多くなるようにしなければならない」と付け加えた。一方、韓国GMが群山工場を閉鎖し、雇用問題などで地域経済の困難が加重されている状況に対し、李候補者は「群山に400億~500億ウォン規模の金融仲介支援融資を投入する予定だ」と明らかにした。
  • 毎日経済_キム・イノ記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2018-03-21 19:22:28




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