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昨年の輸出5700億ドル、史上最大…半導体「錯視」に警戒


昨年の韓国の輸出は史上最大を記録した。半導体が以前に無かった好況を享受して、輸出の増加傾向を導いた結果だ。しかし、今年は保護貿易主義の拡散とウォン高、昨年の反動などで剣難な道が繰り広げられる見通しだ。

産業通商資源部は1日、昨年の韓国の輸出額は5739億ドルと暫定集計されたと明らかにした。

貿易統計を作成し始めた1956年以来の最大値で、2016年(4954億ドル)に比べても15.8%増加した。輸出額は昨年の11月17日にすでに5000億ドルを超えて、歴代最短時間で突破記録を立てた。世界市場での韓国の輸出シェアは3.6%で、これも過去最大を記録し、世界の輸出順位も6位で、前年に比べて2ランク上がった。 2016年の輸出額が前年比で5.9%減少し、危機説に火を付けたこととは対照的だ。

昨年の輸出は半導体が一人で牽引したとしても過言ではない。半導体は世界的なメモリの需要増加と価格の上昇で、輸出額は57.4%(前年比)増加した979億4000万ドルを記録し、1994年の韓国全体の輸出額(960億ドル)を上回った。昨年の総輸出額のうちで17%に達する規模だ。複合構造チップ集積回路(MCP)47.5%、次世代ストレージ(SSD)45.6%、有機発光ダイオード(OLED)34.4%などの高付加価値品目の輸出も大きく増えた。

半導体以外の部門の輸出増加率を見ると9.9%にとどまっている。昨年の飛躍的な輸出増加は、実質的には「半導体錯視効果」と見ることができる理由だ。

中国メーカーのシェア上昇などで世界的に競争が激化している無線通信機器市場では、輸出額は25.5%減少した。国外生産の割合が増えた家電分野も、輸出規模は前年比で22.1%減少した。自動車部品はサード配備の影響で中国の韓国車不買運動が本格化し、昨年は輸出額が9.5%減少した。

輸出額が前年対比で20%以上増加した石油製品(31.7%)、石油化学(23.5%)、船舶(23.6%)などは、国内産業の競争力が高まった結果ではなく、対外的な変数による一時的な増加として解釈できる。石油製品や石油化学は、国際原油価格が10%以上も上昇して輸出単価が高くなり、中国・アセアン地域に対する輸出も大きく増えた。船舶部門は2016年のマイナス15%の逆伸長にともなう反動が、輸出増加の主な原因としてあげられる。

カギは今年の輸出の行方だ。産業部はこの日、今年の輸出目標について「上半期に輸出総力支援体制を稼動して、今年の輸出は4%以上の増加を達成したい」と述べた。昨年の半導体をのぞく輸出増加率(9.9%)よりもはるかに低い数値だ。

今年の韓国の輸出はウォン高・高金利・原油高などの対外経済の悪材料と、保護貿易主義の拡散と韓米自由貿易協定(FTA)の改正交渉などで暗雲が垂れ込める状態だ。昨年の輸出記録達成にともなう反動も負担だ。産業部は今年の品目別に半導体、一般機械、石油化学、自動車などの輸出は増加するが、単価の下落と受注残の減少で船舶、鉄鋼、家電などの輸出は減少すると予想した。昨年の輸出の立役者である半導体は需要の増加と供給不足が続き、今年は輸出が小幅で増加すると予想した。
  • 毎日経済 ソク・ミンス記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2018-01-01 17:51:10




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