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韓国銀行「サード報復なければ今年2.8%成長も可能」


  • 韓国銀行「サード報復なければ今年2.8%成長も可能」
  • < 韓国銀行の2017年の成長率見通しの変化 >

最近、輸出景気が好調を見せており、暗くなることだけを予想した国内経済に肯定的な展望が広がっている。韓国銀行は11日に金融通貨委員会を開き、3年ぶりに成長率見通しを上方修正した。

年初には暗澹たるものだった経済見通しが三ヵ月ぶりに肯定的に変わったことは、昨年11月以降に増加傾向を示す輸出を主な要因としてあげている。米国をはじめとする世界各国の景気回復とあいまって3月の輸出は489億ドルと、前年同月比で13.7%増加した。

特に半導体とディスプレイなどに対する需要が増えて、情報通信技術(ICT)分野の輸出が15.8%も増えた。

輸出が力を得るやいなや、他の経済指標も少しずつ回復している。

統計庁によると、全産業生産が前年同月比で4.2%増加し、昨年の第4四半期以降に増加傾向を見せていた設備投資も、2月は8.9%後退したが、昨年の同期間と比較して19.5%の増加を示した。小売販売は前月比3.2%増加し、特に景気に敏感な乗用車などの耐久財の販売は前年同月比で7.5%増加して、緩やかな改善の流れを示した。 3月の就業者は47万人増え、15ヶ月内で最大の増加傾向を示したことも鼓舞的だ。

このような指標の改善に支えられ、韓銀は今年1月の展望当時は上半期の設備投資増加率を3%とにらんだが、今回の修正経済見通しで9.5%に増やした。年間の設備投資増加率も2.5%から6.3%に上方修正した。チャン・ミン韓銀調査局長は、「設備投資の増加は第1四半期の一回性要因にとどまらず、今年中はかなり高い増加率が予想される」と説明した。

しかし韓国経済をめぐる国内外の不確実性が非常に大きく、経済指標の回復にもかかわらず経済回復を楽観するにはまだ早いという判断だ。李柱烈(イ・ヂュヨル)韓銀総裁もこの日の懇談会で、「短期的には景気が回復傾向にあって展望も明るいが、中・長期的にはまだ不確実性とリスクが潜在している」と警告した。

このような状況で、高高度ミサイル防衛システム(THAAD/サード)の配備による中国の報復が続けば、中国に対する輸出と国内観光の分野で深刻な打撃は避けられない見通しだ。韓国銀行は年間の中国人観光客は30%減少し、中国への輸出が2%減少するという仮定の下で、1年間サード報復が続けば成長率を0.2%ポイント下げると予想した。

このため韓国銀行は成長率の見通しを調整しながらも、史上最低水準の基準金利(年1.25%)は10ヶ月めで凍結基調を継続した。これに加えて、日に日に水位を高めていく米ドナルド・トランプ政府の保護貿易主義、米・中間の貿易と為替戦争、米国の金利引き上げ、韓米自由貿易協定(FTA)の再交渉など、さまざまなグローバルな悪材料がいつ爆発するかわからない危うい状況だ。

LG経済研究院のイ・グンテ首席研究委員は、「輸出が予想よりもうまくいっているが、原油価格の上昇にともなう単価の上昇と、半導体好況に寄り添った側面が大きい」とし、「特にさいきん流れの良い半導体産業は、国内設備投資と工業生産に対する影響が遅いため、輸出が経済全般の回復の流れを主導すると言うには早い」と指摘した。

現代経済研究院のホン・ヂュンピョ動向分析チーム長も、「まだ民間消費の萎縮は深刻な状態であり、米国の金利引き上げの本格化で借金の負担が増えた家計が消費を増やす誘因がない」と憂慮した。
  • 毎日経済_ チョン・ヂョンホン記者/プ・ヂャンウォン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2017-04-13 21:58:19




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