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サムスン電子、メモリの鈍化をファウンドリで補う


  • サムスン電子、メモリの鈍化をファウンドリで補う

サムスン電子はメモリ供給過剰によるDRAM価格の下落で、半導体「超好況」景気が止まる兆しを見せて、半導体受託生産であるファウンドリに対する技術開発に拍車を掛ける方針だ。

サムスン電子半導体事業の売上高のうち85%はメモリに依存し、ややもするとメモリ価格が暴落すれば事業全体が危険にさらされることがありうる一方で、ファウンドリ事業は第4次産業革命で需要が増えており、ポートフォリオの調整が急務だという判断からだ。特にサムスン電子は、超微細工程技術力では1位の台湾TSMC社との格差を狭くするという戦略を打ち出した。

サムスン電子のファウンドリ事業部長鄭殷昇(チョン・ウンスン)社長(写真)は3日(現地時間)、米国サンフランシスコで開催された国際半導体素子学会(IEDM)に参加し、「サムスン電子は2020年の量産を目標に現在、3ナノ(1ナノメートルは10億分の1メートル)プロセスの性能検証を終えて技術完成度を高めている」と述べた。

サムスン電子はファウンドリ事業で32ナノ・14ナノ・10ナノメートルプロセスの半導体を世界で初めて量産することに成功したが、7ナノプロセスは第1位のTSMCに先を越されたことがある。このため3ナノ。プロセスだけは先に量産に成功して、1位との格差を狭めようというメッセージだ。

これとともにチョン社長は「第4次産業革命の時代に合わせて、ファウンドリ事業の範囲を現在の単純な半導体受託生産からデザインサービス・パッケージ・テストにまで拡大する」と強調した。第4次産業革命とともに登場した新しいアイデアを実現するには、レベルの高い半導体技術はもちろん、顧客に合わせたカスタマイズ生産が必要だと主張したわけだ。

またチョン社長は、「半導体の集積度を高めて性能と電力効率を継続的に向上させる」と語った。このために細かく回路を刻み込むことができる次世代の技術である「極紫外線(EUV)露光技術」や、電源を切ってもデータが消えない半導体メモリである「STT-MRAM」などの尖端ファウンドリー技術の重要性を強調した。

またチョン社長は、サムスン電子が保有する「GAA(Gate-All-Around)トランジスタ構造を適用した3ナノメートルプロセス」など、最先端の技術を紹介して注目を集めた。 GAAはトランジスタ内の電流の流れを調節するゲートを上面・下面・前面・背面のすべてを使用する技術だ。

このようにサムスン電子がファウンドリの重要性を強調した理由は、第4次産業革命の時代を迎えてオンデマンド半導体の需要が急増しているからだ。現在、グーグル、テスラ、アップル、アマゾン、フェイスブックなどのようなグローバルIT企業を中心として、別個に半導体の設計チームを置くところが増えている。

市場調査会社のIHSマキトは、グローバルファウンドリー市場は2021年までに毎年7.7%ずつ成長すると観測した。これはNANDフラッシュメモリ(7%)よりも高い水準だ。

現在、第1位は1号ファウンドリである台湾のTSMCで、昨年を基準にして50.4%を占めている。 2~4位はグローバルファウンドリー、UMC、サムスン電子の順だ。 2005年にファウンドリ事業を開始したサムスン電子は昨年、事業チームを事業部に格上げしてチョン社長を事業部長に発令した。それだけファウンドリ事業に速度を加えるという方針だ。

さらにサムスン電子は、技術力の確保と顧客拡大という「二匹のウサギ」に邁進している。米国サンタクララ、中国の上海、ソウル、東京、独ミュンヘンをむすぶ「サムスンファウンドリフォーラム」を開き、顧客に最先端の技術を説明している。

またクアルコム社とは7ナノプロセスに関連する協力関係を結び、中・長期の成長基盤を確保したという評価を得た。電気自動車のリーダー、テスラ社とも協力することが伝えられた。

今年の第1四半期の業績を発表するときに、「年内に売上げ100億ドルを達成、業界2位達成」という大きな目標を提示した。サムスン電子はファウンドリ事業で超微細工程技術力を土台に市場を開拓し、これによってメモリ半導に対するの依存度を減らすという方針だ。
  • 毎日経済_イ・サンドク記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2018-12-04 17:45:20




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