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サムスン電子「半導体の力」…今年の営業利益50兆にらむ


  • サムスン電子「半導体の力」…今年の営業利益50兆にらむ
  • 写真=ハン・ジュヨン記者


半導体とディスプレイ事業を担当するサムスン電子デバイスソリューション(DS)部門は、今年第1四半期の営業利益は約3兆7000億ウォンにとどまった。オフシーズンでもあったが、メモリスーパーサイクルの機運が微弱だった。米テキサス州のオースティン工場は去る2月中旬から3月末までに稼動が止まり、実績に水を差した。

このようなサムスン電子だが、第2四半期は「半導体の力」で再び営業利益12兆5000億ウォンを記録して「アーニングサプライズ(予測値を超える実績)」を上げた。このうち半導体事業の営業利益が最大で7兆ウォンを超えたことが観測される。このような急成長のおかげで2017年と2018年に続き、再び年間営業利益50兆ウォン達成が視野に入るという期待感も大きくなった。カギは下半期のスマートフォンの成績だ。

サムスン電子が7日に発表した第2四半期の暫定業績は、売上げ63兆ウォンと営業利益12兆5000億ウォンだ。売上げと営業利益は1年前の同じ期間もよりも、それぞれ18.94%と53.37%上昇した。専門家らの予測値(売上61兆ウォンと営業利益11兆ウォン)もはるかにこえた。第2四半期を基準にしてサムスン電子の営業利益が10兆ウォンを突破したのは2018年以来の3年ぶりだ。

サムスン電子は29日に事業別の詳細実績を公開する。

専門家らは12兆5000億ウォンのうち、DRAMとNAND型フラッシュなどのメモリ半導体およびシステム半導体受託生産(ファウンドリー)と設計(ファブレス)を合わせた半導体の営業利益は7兆ウォン台と推定する。スマートフォン事業を担当した情報技術(IT)・モバイル(IM)部門が2兆ウォン台後半で、消費者家電(CE)部門とディスプレイ(サムスンディスプレイ)がそれぞれ1兆ウォン程度を収穫しただろうと業界では分析する。

コロナ19による非対面IT需要の爆発とデジタル大転換で、サムスン電子の半導体ビジネスの活況は早くから予見された。市場調査機関トレンドフォースによる調査の結果、今年の4月にDRAM固定取引価格(企業間の大規模な契約価格)は26%に上がり、2017年の半導体スーパーサイクル以来では最大の幅で上昇した。また去る5月からは米オースティンのファウンドリー工場が正常稼動して、売り上げ数千億ウォンも回復した。この工場は全世界の12インチウエハー(半導体ディスク)需要の1~2%を占め、第5世代(5G)移動通信スマートフォンの通信半導体の相当数を供給している。

CE部門はプレミアムテレビと最新のビスポーク生活家電が善戦したと見られる。ただし営業利益は第1四半期の1兆2000億ウォンよりも減っており、コロナ19が触発した「チプコク」需要が高点を過ぎたという見方が出ている。テレビも液晶表示装置(LCD)パネルの価格上昇で、収益性は小幅で下落した。

IM部門の第1四半期の営業利益は4兆4000億ウォンで、全体の実績を主導したが、第2四半期は今年初めに発売した「ギャラクシーS21」の新製品効果が消えた。またバトンを引き継ぐ新製品がインドとベトナムの工場におけるコロナ19の感染拡散と半導体供給不足で生産に支障をきたし、また開発の遅れから第1四半期より振るわなかった。

IT業界によると、サムスン電子は今年のスマートフォンの年間販売目標を2億8000万台とにらんだが、上半期全体の出荷台数は約1億3000万台で半分にも満たなかったという。

このようななかで、下半期は継続する半導体サイクルとIM部門の回復が業績に対する期待感を高めている。業界の専門家らはメモリとシステム半導体の価格が同時に上昇し、サムスン電子半導体事業の実績を引き上げるものと見ている。業界では第3四半期のサムスン電子全体の売上げを70兆ウォン、営業利益は15兆ウォンと展望している。チョン・ジャンウォン野村證券専務は最近の記者懇談会で、「DRAMとNAND型の価格が第3四半期に20%以上、さらに上がれば、半導体利益だけで3兆ウォン以上増えるだろう」と予想した。

この間しばらく不振だったIM部門は、人気モデルを大量に吐き出して靴ひもを結び直す。まず普及型スマートフォン「ギャラクシーA52」と「A72」の世界販売を本格化している。このモデルはコア半導体部品であるモバイルアプリケーションプロセッサ(AP)が不足して、上半期に公開イベントを行ったが出荷が遅れ、APの需給問題が最近になって解決されたと伝えられた。 8月にはフォルダブル(折りたたみ式)スマートフォンの新製品である「ギャラクシーZフォールド3」と「Zフリップ3」がそろって公開される。

全世界のIT業界の新製品発表が殺到し、米国のブラックフライデーのような消費特需イベントが開催される第3四半期と第4四半期はオンシーズンだ。 IT企業のための部品から一般消費者向け家電・テレビ・スマートフォン・PCまで、すべてを供給するサムスン電子の業績がさらに期待される理由だ。

ただしサムスン電子の業績高空行進も、一部では不安が頭を持ち上げている。メモリー半導体とスマートフォンに依存するサムスン電子の新事業革新がスピードを出せずにいるという指摘だ。サムスン電子は2010年に年間売上げ150兆ウォンを、2012年には200兆ウォンを突破した。しかし昨年の年間売上高は236兆8000億ウォンで、9年目の200兆ウォン台の壁を破れなかった状態だ。

オースティン工場の170億ドル(約20兆ウォン)規模の3ナノメートル(㎚/1㎚は10億分の1メートル)級の超微細プロセスのライン増設も、李在鎔(イ・ヂェヨン)サムスン電子副会長が拘束収監されて立ち止まった状態だ。

ユジン投資証券のイ・スンウ研究員は「2012年以降、サムスン電子は韓国の経済成長率(GDP)よりも低い成長を見せている」とし、「サムスン電子が成長するためにはこれまでのうまくできた分野だけでなく、システム半導体事業の革新、買収・合併( M&A)を通じた成長動力の発掘が必要だ」と語った。
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  • 毎日経済 | イ・ジョンヒョク記者/パク・チェヨン記者
  • 入力 2021-07-07 19:24:29




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