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数字経済 > 企業 > LSエムトロン、売上1兆で黒字転換…北米の農機販売が好調
LSグループの系列社のうちで農業機械系のトラクターや射出機などを生産するLSエムトロン(LS Mtron)は昨年、売上げが5年ぶりに1兆ウォンを超えたことが分かった。営業利益も4年ぶりに黒字になった。 LSエムトロン復活の一等功臣は主力生産品であるトラクターであり、北米市場の輸出拡大が奏功した。
25日の財界によると昨年、LSエムトロンは1兆ウォンを超える売上高と約100億ウォンの営業利益を記録した。最後に売上げ1兆ウォンを突破したのは2016年であり、2018年から2020年までは営業赤字が続いた。農業用機械であるトラクターの売上げは、この数年間は5千億ウォン前後にとどまったが、昨年は前年比で25%拡大した約6200億ウォンを記録した。 LSエムトロン全体の売上げでは約60%の割合だ。トラクターの売上げでにおける輸出の割合は70%(40カ国)に達するが、特に北米地域の販売が前年比で30%拡大した。コロナ19以降の在宅勤務などで変化した米国人の生活様式と、LSトラクターの北米市場攻略が合致したと分析される。
LSエムトロンの関係者は「北米では庭園を整えたり趣味で農場を運営するアマチュア農家・庭師が楽に作業できるようにした、家庭用の小型新製品が人気を集めている」と説明した。この関係者は引き続き「主要大都市では近郊への人口移動が拡大しており、テスラやオラクルなどの大手情報技術(IT)企業がテキサスなどの地域に事業場を移している」とし、「趣味で農機械を必要とする需要はさらに増えると思われる」と語った。人口の高齢化と高騰する大都市住宅の市場価格なども、LSトラクターの北米市場の見通しを明るくする要因にあげられる。
同社の売上げと利益が崩れ始めた2017年は、LSエムトロンが電気自動車用二次電池素材である銅箔・薄膜(銅製の薄い金属膜製品)事業部を売却した年だ。
同社はLSオートモーティブ(LS Automotive)の株式47%(7500億ウォン)と合わせて、総1兆500億ウォンで世界的なプライベートエクイティであるコルバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)に事業を渡した。トラクターと射出機のビジネスに集中するためだったが、その後にバッテリーブームが訪れたことで、当時LSエムトロンの決定は結果的に惜しいものになったという評価も聞くことになった。 LSエムトロンの銅箔・薄膜事業部はKKRを経て2020年、SK(SKネクシリス・旧KCFT)の胸に抱かれた。 LSを離れる当時は3千億ウォンだった身代は、SKが買う時には1兆2千億ウォンになった。
LSエムトロンは計画どおり、揺れることなくトラクターの競争力を引き上げることに集中した。多品種少量生産のトレンドに合わせた、22~25馬力の小型から最大で300馬力を超える製品に至るまでトラクターのラインナップを多様化した。
品質と人間工学に基づいたデザインまでもが好評を得て、北米の農機械ディーラー協会が主管する満足度評価のトラクター部門で5年連続で1位を受賞した。国内では初歩帰農者・帰村者と青年・女性農業従事者などを対象に農業機械活用教育に乗り出して顧客層を拡大している。
LSエムトロンは先月、国内初の自律走行機能を搭載したトラクターの「LSスマートレック」を出荷した。自律走行トラクターとは、直接操作せずにスマートフォンやタブレットなどを利用してリモートで操縦できるトラクターだ。運転者が設定した作業に合わせて一直線で走行でき、回転・後進も可能だ。 LSエムトロンは自律走行トラクターの使用時は手動での農作業(大豆農業基準)に比べ、耕作時間は17%減少して収穫量は8%増加すると見ている。
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