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LSエレクトリック、工程不良率100万分の7の秘密は?


  • LSエレクトリック、工程不良率100万分の7の秘密は?

  • LSエレクトリック清州スマートファクトリーの生産ラインで、ロボットアームがビジョン(Vision)検査で低圧電子接触器製品の不良を確認している。[写真提供=LSエレクトリック]



コンベアベルトの上に大人の手のひらサイズのプレートが一つずつ置かれる。電力の過負荷を自動的に遮断する遮断器を製造する最初の工程だ。この板に部品が1つ2つ取り付けられ、レーザーで固有番号が刻まれている。 「⊂」の字型の組立ラインを通る遮断器は、全体で25の工程を通過するあいだに人の手は一度もかからない。完成した製品がボックスに収められると、無人運搬車(AGV)がこれを積載する。生産ラインの片側に置かれたデータロッカーは細い緑色の光を点滅させ、個々の製品の生産記録を休止せずに記録する。先月24日に訪問したLSエレクトリック清州事業場第1工場G東のスマート生産ラインは、国内最高水準のスマートファクトリーとしての鮮やかな姿を見せた。

LSエレクトリックは1990年代にはこの工場で遮断器を半自動で組み立てた。 2009年に無人運搬車を導入したことに続き、2010年には生産管理システム(MES)を導入し、工程の自動化に拍車をかけた。 2013年には「インダストリー4.0」が話題に浮上し、LSエレクトリックは情報技術(IT)基盤のスマートファクトリー体制を構築し始めた。具滋均(ク・ヂャギュン)LSエレクトリック会長は「運営効率の最大化」と「事業デジタル化」を二大軸として設定し、デジタル転換(DT)を陣頭指揮した。

LSエレクトリクスのマートファクトリーの核心であるデータ蓄積は、2019年から本格的に行われた。スマートファクトリーシステムが構築される前は、遮断器(ABN100c)の完成品1個につき649のデータタグが生成された。現在は以前よりも4.9倍増えた3193のタグが作られる。 2019年までに製品固有のデータタグは、施設の稼働中にどのようなエラーが発生したかをチェックする程度だった。その後は生産・工程データを細分化し、品質データを強化した。いまは個々の製品が25段階の各工程をいつ通過したのか、検査の結果欠陥がないかなどを統合的に記録する。

このようなデータベースの工場運営は、製品不良率が低くなる成果につながった。 2014年までに顧客のクレーム発生率は3桁のPPM(1PPMは100万分の1)に達した。 2018年には33PPMに下がった後、2019年は27PPMに、2020年は21PPM、昨年は14PPMまで低くなった。これは製品の欠陥に加え、顧客が製品を使用しながら感じる「感性品質」上のクレームまでを含めた数値だ。製造過程上の不良率は2019年以降は7PPM水準を維持しており、すべてのデータが工程の改善に活用される。

LSエレクトリックは製品不良か否かの判定に機械学習・ディープラーニング基盤の検査を行っている。ロボットアームの先に仕込まれた照明が製品を明るく照らし、欠陥の有無を調べるのにかかる時間は1.5秒あまりだ。従前は作業者が肉眼で検査するために、製品には欠陥がないのに誤判定する事例が少なくなかった。いまは予想される部品不良タイプをイメージファイルにし、人工知能(AI)を学習させる段階に至った。

今年、LSエレクトリックはデータ基盤の意思決定活動を強化する方針だ。中・長期的にはデジタルツインやメタバース技術を通じて、現場の状況をリアルタイムで見ることができるようにする方案も検討中だ。ペク・ヒソンLSエレクトリック製造知能化研究チームマネージャーは「2024年の自律型工場完成を目標に、AIがデータ基盤の意思決定まで自律的に行えるレベルのインテリジェント工場を構築するために努力している」と語った。

LSエレクトリック清州事業場スマートファクトリーは昨年9月、世界経済フォーラムの年次会議で「灯台工場」に選ばれた。灯台工場はモノのインターネット(IoT)やAIにクラウドなど、第4次産業革命の核心技術を活用し、新しい製造業の成果モデルを生み出す工場を意味する。
  • 毎日経済 | 清州=ムン・グァンミン記者
  • 入力 2022-02-02 16:25:15




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