トップ > 数字経済 > 経済 > QE3の隠れた敗者は韓国、最大の受益者は米国

QE3の隠れた敗者は韓国、最大の受益者は米国

先進国、株式・不動産で恩恵 

  • QE3の隠れた敗者は韓国、最大の受益者は米国
  • < 勝者は金を撒いた米・日、欧州・南米・韓国は悔しい敗者 >

QE3が終了したいま、市場は成功的だったと評価している。しかし、これは「米国に」という但し書きがつく。

QE3が始まっても「新しい通貨戦争」であり、「近隣窮乏化」政策だという非難が米国に降り注いだ。けっきょくQE3の最大の受益者は米国だということが判明した。

実際に、2012年9月は7.8%だった米国の失業率は今年9月に5.9%で、2%ポイント近く下がった。株価は40%以上上がって不動産市場も回復し、米国の資産価格は金融危機以前の水準を回復した。

米国の10年国債金利と住宅ローン金利がQE3の実施前よりもさらに高くなった。ドルの価値は量的緩和期間中は主要通貨に対して低かったが、テーパリング(量的緩和の規模縮小)が始まった後は、QE3実施前よりもむしろ上がった。

フィナンシャル・タイムズ(FT)は「量的緩和で金を買い、米ドル資産を売却しなければならないという意見が出たが、実際の結果は金価格が下落して株価が急騰するなど、逆の効果が現れた」と説明した。

ハイ投資証券のパク・サンヒョン エコノミストは、「金利が上がったのは米国景気が成長する流れを反映したもの」とし、「成長率が3%台を維持すると予想され、QE3以前より1%ポイント以上上昇した」と評価した。ドル高に対しても、「米国がシェール革命とともにIT新産業を主導して、経常収支の赤字が減っている」と説明した。

米国だけでなく、量的緩和を実施した先進国は手堅い効果を見た。日本は本格的な量的緩和(アベノミクス)が実施された2012年12月に比べると、失業率は4.2%から3.5%に落ちて株価は77%も上昇した。通貨の価値が39%下落し、円安効果で企業は力を得ている。英国も資産買い入れ規模を拡大した2012年7月以降、失業率が8%から6%に低下し、先進国の中で最も経済の回復速度が速い。

一方、量的緩和を実施していないヨーロッパの新興国は困難を経験した。量的緩和が近隣諸国の経済を貧困にするということに対しては依然として議論が多いが、表面的には否定的だ。ヨーロッパ経済は高い失業率と低い物価に苦しむしんでいる。ヨーロッパもいまや流動性を解放してユーロの価値を下げ、デフレを輸出しなければならない局面だ。

新興国では「脆弱5カ国(Fragile 5)」に分類されたインド・インドネシア・南アフリカ共和国・トルコ・ブラジルなどが被害者として挙げられた。このうちインドとインドネシアなどのアジア諸国は、量的緩和の縮小にも揺れなかったが、ブラジルなどの南米諸国は最近の株価下落と通貨価値の急落で困難を経験している。

QE3の隠れた敗者は韓国だ。韓国は量的緩和期間、資産価値がほとんど上昇しなかった。ブルームバーグによると、世界の主要40カ国の株価を2012年9月から現在まで調査した結果、韓国の株価は8%上昇にとどまって32位を記録した。この期間中、MSCIワールド株価指数は30%も上昇した。

他の大分部の通貨がドルに比べて価値が低下したにもかかわらず、ウォンはむしろ10%上昇した。輸出中心の韓国経済が致命的なわけだ。

韓国経済がQE3の恩恵をほとんど受けていない理由は、韓国内部の問題が大きいという評価だ。

第一に、2012年下半期から韓国経済が事実上「ストップ」したという分析だ。構造調整の遅延とともに、消費が不振になり、資産市場も低迷した。第二は、韓国経済が中国経済に連動し、中国の景気鈍化の打撃を受けたという評価だ。米国の経済成長に伴う落水効果をほとんど受けていないわけだ。
  • 毎日経済_イ・ドクチュ記者/ヨン・ギュオク記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2014-10-30 17:38:11




      • facebook icon
      • twetter icon
      • RSSFeed icon
      • もっと! コリア